最終年度である本年度は,高等学校および中学校での実践を中心に考えていた。しかしながら,昨年度に続き今年度もコロナ禍であり,当初予定していた高等学校における現職教員への指導助言,高校生の課題研究等実践の場でのわれわれの直接指導助言はことごとく中止となってしまった。ただし2件だけ生徒への直接指導が実現した。一方で,中学校においては,授業における探究的取り組みに関して,教員への助言2件と生徒への講演および助言2件が実践でできた。 具体的には,宮城県教育委員会との「「授業,総合的な探究の時間及び課題研究につながる探究的な学びの実践講座」~生徒の主体性の伸長と教員の気づきを高める活動~」(学びの実践講座)を継続した。ただし,コロナ禍の影響が大きく,実践は探究活動を行う高校生への直接指導2件だけであった。1件は高校生の探究活動のテーマ設定から進め方の講演で,もう1件は年度末のまとめ方の指導助言であった(それぞれ別の高校)。一方別件として,計画してきた教員ネットワーク構想を学会で発表し,若手教員を中心とし具体的に実行に移しつつある。このネットワーク作りは,宮城県内だけにとどまらず,ひいては東北,さらには日本に展開すべく考えている。今度の軸となる課題である。 中学校においては,昨年同様,気仙沼市立の2つの中学校で実践した。本研究に基づく授業作りも理解が進み,各教員は独力で実践できる状態になった。学会発表をしてまとめた。さらに,申請者が中学生に経験を絡ませた授業を行い,それを教員が参観するという形で本研究の実践手法を公開した。生徒から主体的に質問が出る様子に教員も興味を持ち,検討会において,実践してもらうべくポイントを明示する活動ができた。
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