研究課題/領域番号 |
19K03051
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
本多 薫 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (90312719)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 学習支援システム / 画面サイズ / 表示位置 / 視線移動 / 負担 |
研究実績の概要 |
令和3年度の研究計画では、1.表示位置や学習コンテンツの提示方法、画面サイズ(PC用のワイドサイズとタブレット用の小型サイズ)などの学習条件を変化させ、学習時の視線移動や心拍、課題成績、反応時間(検索時間)、ヒューマン・エラーなどのデータを測定する、2.学習者の疲労、負担、ヒューマン・エラーの視点から、最適な学習画面設計の条件と課題をまとめる、3.研究成果を公表、を行う計画であった。 1.データの測定については、3種類の実験を実施してした。実験1:モニターの画面サイズPC用(24インチ)とタブレット用(10インチ)を取り上げ、学習情報(漢字、ひらがな)の表示位置と解答を選択する位置との関係に着目し、画面サイズの違いにより、画面上の視線移動の回数、検索時間、エラー率、心拍数、主観評価などに差異が見られるのかを実験を通して検討した。実験2:モニター画面に文字などの学習情報を提示する際の文字色に着目し、画面サイズPC用とタブレット用について取り上げ、検索時間、正答率、主観評価等を指標として、文字色(橙、青、紫、緑、黒色)が文字検索課題に与える影響について実験を通して検討した。実験3:モニターの画面の両端に表示された情報への認知を確認するために、異なる画面サイズにおける表示位置と文字の検索時間との関係について実験を通して検討した。 2.課題については、実験結果から以下の点が明らかとなった。①画面の四隅および左側に学習情報が配置されると発見が遅延し、視線移動の距離が長くなることから、学習者の負担が大きくなる、②文字色が「黒」については左側と右側では差異は見られないが、左側の「橙」と「青」は成績(正答率)が低い傾向にある、③画面サイズが大きくなると、画面の右端に表示した情報の検索時間が長くなる、ことなどを示した。 3.研究成果の公表:実験結果の一部を全国学会と国際学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度の研究計画では、1.表示位置や学習コンテンツの提示方法、画面サイズ(PC用のワイドサイズとタブレット用の小型サイズ)などの学習条件を変化させ、学習時の視線移動や心拍、課題成績、反応時間(検索時間)、ヒューマン・エラーなどのデータを測定する、2.学習者の疲労、負担、ヒューマン・エラーの視点から、最適な学習画面設計の条件と課題をまとめる、3.研究成果を公表、を行う計画であった。研究実績の概要で述べたが、3種類の実験を実施してデータを測定した。表示位置や提示される学習コンテンツの種類(文字、文字色)、画面サイズPC用(24インチ)とタブレット用(10インチ)の学習条件を変えて、学習者の画面上の視線移動、検索時間、成績(正答率、エラー率)、心拍数、主観評価などに差異が見られるのかを実験を通して検討した。実験結果から、学習情報の配置や文字色などの学習画面設計の課題を示した。研究成果の公表として、実験結果の一部を日本教育工学会2021年春季全国大会、国際人間工学会(International Ergonomics Association (IEA 2021))で発表した。以上のことから、令和3年度の研究計画に従って進め、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度については、これまでに実施した実験での再確認や不足を補うための追加実験を実施する。追加実験では、学習コンテンツの提示方法、画面サイズ(PC用のワイドサイズとタブレット用の小型サイズ)などの学習条件を変化させ、学習時の視線移動や心拍、課題成績、反応時間(検索時間)、ヒューマン・エラーなどのデータを測定する。そして、学習者の疲労、負担、ヒューマン・エラーの視点から、最適な学習画面設計の指針を示す。そして、これまでの研究成果を公表する。補助事業期間全体を通じての研究体制は、研究代表者と研究協力者(門間政亮博士)で構成する。引き続き、研究代表者は研究全般を担当し、研究協力者は実験実施と生体情報の医科学的な視点からのデータ分析に協力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国際学会がオンライン開催になったために旅費が残金となった。令和4年度は残金を活用して、追加実験の実施費用(研究協力者の旅費を含む)と成果報告のために使用する予定である。
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