研究課題/領域番号 |
19K03052
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
井上 正之 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (90553941)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 電話リレーサービス / 聴覚障害者 / アクセシビリティ / リテラシー |
研究実績の概要 |
まず、日本財団が実施している電話リレーサービスのモデルプロジェクトに関して、サービスの利用状況についての情報収集を行うとともに、実際にサービスを提供している事業者(聴覚障害者情報提供施設等)や当事者団体へのヒアリングを実施した。その結果、どのようなときに電話リレーサービスを利用すればよいのかがイメージできない聴覚障害者が相当数存在すること・サービス利用者の中で電話を利用する上でのマナーや常識を十分に身に着けていないとみられる事例がかなりあること、などが判明し、聴覚障害児への電話リテラシー教育の必要性を裏付ける結果となった。 次に、日本財団の電話リレーサービスの利用状況から、聴覚障害児の電話リテラシー向上に有効と思われる項目(電話のしくみ、聞こえる人たちがどんなときにどのように電話を利用しているか、現在の電話リレーサービスにおける利用の好事例など)の具体化・整理検討を行った。 上記検討内容の妥当性を研修すること及び電話リテラシー教育の試みがあるかどうか等の調査を目的として、聴覚特別支援学校・電話リレーサービス提供事業者などへのヒアリング・アンケート項目の検討・作成を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一般ユーザと聴覚障害者の電話リテラシー能力の比較分析、聴覚障害者が身に着けるべき電話リテラシー能力の具体化についてはほぼ予定通り実施できた。
しかし、2月から3月にかけて、全国の聴覚特別支援学校・電話リレーサービス提供事業者への電話リテラシー教育プログラムに関するアンケート調査・実地調査を行う予定であったが、コロナウィルス感染拡大の影響から一時的に停止せざるを得ない状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
非常事態宣言が解除され状況が落ち着いてきていることから、一時的に停止している全国の特別支援学校・電話リレーサービス提供事業者への電話リテラシー教育プログラムに関する調査を実施していく。調査にあたっては、実地調査は必要最低限に抑え、アンケート調査をメインとして進めていくこととする。 調査結果を受けて、聴覚障害児が電話リレーサービスを通じて電話リテラシーの育成・向上を図るための教育プログラム(DVDなどの自習教材)の検討・施策を進めていくこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2月から3月にかけて全国の特別支援学校・電話リレーサービス提供事業者へのアンケート調査・実地調査を行うため、それに伴う旅費を支出するとともに、調査結果の収集分析のための人件費を使用する予定であったが、コロナウイルス感染拡大により調査を一時的に停止していたため、次年度に繰り越すことになった。 今後は、前半期までに全国の特別支援学校・電話リレーサービス提供事業者へのアンケート調査・実地調査を実施し、得られたデータの収集分析を行っていき、後半期で前半期に得られた結果にもとづく電話リテラシー教育プログラムの検討・構築を行っていくこととする。
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