研究課題/領域番号 |
19K03052
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
井上 正之 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (90553941)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 電話リレーサービス / 聴覚障害者 / アクセシビリティ / リテラシー |
研究実績の概要 |
公的電話リレーサービスの実施に係る法律が2021年6月に成立し、2021年7月から正式に実施予定となったことを受け、まずサービス内容の詳細に関する情報収集を総務省・日本財団などを通じて実施した。その結果判明したサービス内容(24時間365日・発信着信双方向で利用可能、緊急通報にも対応等)にあわせて、聴覚障害児の電話リテラシー向上のために必要と思われる項目の再整理を行った。 上記と並行して、中学部・高等部を対象とした啓発を意識した電話リレーサービスの概要についての啓発教材を試作し、筑波技術大学のウェブマガジンの記事などとして公開した。また、海外の文献をもとにした冊子形態の啓発教材の検討も実施した。試作・公開した啓発教材に基づいた電話リテラシー向上プログラムの効果などを検証することを目的として全国の聾学校・聴覚特別支援学校への実地ヒアリングを実施することとしていたが、コロナ感染の状況を踏まえ、オンラインアンケートという形に切り替えることとしその内容の検討を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
公的な電話リレーサービスの実施にかかわる法律の制定が行われたことから、実際のサービス内容にかかわる情報収集を行った上で聴覚障害児の電話リテラシー向上に必要とされる項目音整理を行う必要が生じた。また、コロナ感染が拡大している状況もあり、聾学校・特別支援学校への対面でのヒアリングが困難になったことを受け、オンラインでのアンケートの形で再整理を行わざるを得なくなった。以上、二つの要因が重なったことで当初計画より若干の遅れが生じた。しかし、聴覚障害児向けの電話リテラシー向上のための啓発教材の検討については一定の進捗が得られていることから「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、前年度に検討を進めた電話リテラシー向上のための啓発教材の検討・施策を進めるとともに、これらの教材の効果を検証するためのオンラインアンケートを聾学校・聴覚特別支援学校を対象に実施し、アンケート結果をもとにさらに啓発教材の検討・作成を進めていき、最終的にはWWWなどでの公開を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
電話リレーサービスの公的実施にかかわる法律が成立したことを受け、実際に実施されるサービス内容に応じて電話リテラシー向上のために啓発教材に盛り込むべき内容の再検討を行ったことから、啓発教材試作にかかわる人件費の使用が遅れた。また、試作啓発教材の検討・検証のために聾学校・聴覚特別支援学校への実地ヒアリングのための旅費を計上していたがコロナ感染の状況からオンラインアンケートに切り替えることとなったことも次年度使用額が生じた理由となっている。 旅費に関しては、コロナ感染の状況を踏まえて慎重に検討しながら、より詳細な啓発教材試作・検証のために有効活用するよう進めていく予定である。
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