• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

プログラミング教育における細粒度活動履歴に基づくラーニングアナリティクス

研究課題

研究課題/領域番号 19K03056
研究機関九州工業大学

研究代表者

三浦 元喜  九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00334053)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードプログラミング学習 / WebIDE / ソースコード編集
研究実績の概要

研究代表者がこれまで構築してきたWebブラウザ上で動作するプログラミングエディタを改良し、ログの記録と分析を行った。ログの記録に関しては、代表者が構築したWeb IDEシステム(CodeMirrorエディタのイベントを記録し、サーバに送信する機能を追加したもの)を、2つのプログラミング関連講義(計4クラス)で運用し細粒度ログを記録した。また細粒度ログを分析していくにあたり、MySQLに保存されたデータをR言語のデータテーブルに読み込み、相関分析表を作成する一連の手順を構築した。
分析を進めるにあたっては、まず学習活動の種別によるエディタ操作の傾向と、学生パフォーマンスに関連がみられるかどうかの分析を行った。学習活動の種別は(1)試験(2)演習(3)初期創造課題に分類した。試験は他者との相談なしで、制限時間内に回答する課題である。演習は必要があれば他者と相談することができ、回答時間の制約が強くない課題である。初期創造課題とは、学生が講義の初期段階において、主体的にテーマを決め、プログラム命令によって表現する作品を作成する課題である。初期創造課題を独立させた理由は、学生の意欲や態度がソースコード編集の量に反映されやすいと考えたためである。
これらの活動別に、エディタ操作に含まれる総イベント数(マウスクリックを含む)、Tabキー/文字キー/カーソルキー/括弧キー/Enterキーの押下数を集計した。全体的な傾向として、文字キーと括弧キー、TabキーとEnterキーの正の相関と、文字キーと総イベント数/カーソル押下数の負の相関が顕著であった。文字キーと総イベント数/カーソル押下数については、マウスクリックやカーソルによるキャレット操作が頻繁なほど、有効な入力文字数が少ないことを示唆しているとも考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細粒度ログを記録するシステムはすでに構築できていたため、初年度における講義でログ収集を行うことができた。

今後の研究の推進方策

これまでの検討結果を踏まえ、ソースコードの編集におけるマウスクリックやカーソルによるキャレット操作にフォーカスをあて、学生が有効な活動をしているかどうかの早期判断に使えるかどうかを検討する。

次年度使用額が生じた理由

深層学習サーバの導入を初年度に予定していたが、技術仕様の詳細検討と調査に時間がかかっているため。令和2年度に購入を予定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 初学者向けProcessingプログラミング環境におけるコード補完機能の導入と効果2020

    • 著者名/発表者名
      三浦 元喜
    • 雑誌名

      教育システム情報学会論文誌

      巻: 37 ページ: 167-172

    • DOI

      https://doi.org/10.14926/jsise.37.167

    • 査読あり
  • [学会発表] プログラミング講義における活動種別を考慮したエディタ操作と学生パフォーマンスの分析2020

    • 著者名/発表者名
      三浦元喜
    • 学会等名
      情報処理学会インタラクション2020
  • [学会発表] Augmented classrooms and creative thinking workspaces: Introducing digital pens for realizing instant communication and collaborations2019

    • 著者名/発表者名
      Motoki Miura
    • 学会等名
      14th International Conference on Knowledge, Information and Creativity Support Systems
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Segment Markers: Improvement of Random Dot Marker to Extend Recognition Distance2019

    • 著者名/発表者名
      Manabu Ito, Motoki Miura
    • 学会等名
      14th International Conference on Knowledge, Information and Creativity Support Systems
    • 国際学会
  • [学会発表] Analysis of student performance and mutual evaluation activity in creative project-based learning using LEGO mindstorms2019

    • 著者名/発表者名
      Motoki Miura
    • 学会等名
      The 41st Annual Conference of Japan Creativity Society
  • [学会発表] プログラミング教育における剰余演算子活用能力を高めるドリル型記述演習問題の導入2019

    • 著者名/発表者名
      三浦元喜
    • 学会等名
      情報処理学会情報教育シンポジウム(SSS2019)

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi