研究課題/領域番号 |
19K03067
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
小久保 彰 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (20759203)
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研究分担者 |
石川 孝重 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (20151342)
平田 京子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (70228782)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 防災教育 / プログラミング教育 / 小学校 |
研究実績の概要 |
自然災害の多発する近年の日本では市民防災力の向上が急務となり、初等教育における早期防災教育の体系的な実施の必要性が高まっている。しかしながら、多くの小学校においては体系的な防災教育を実施するに足る学習時間の確保が難しいというのが現状である。本研究では、体系的な防災教育の実施に向けた学習時間確保の方法として、2020年度より広く各教科での実施が規定されているプログラミング教育に着目し、防災教育とプログラミング教育を融合させた教育カリキュラムの作成により、体系的な防災教育実施の実現を目指す。 当該年度の研究計画としては、体系的な防災教育カリキュラムの構築を目指して、既存の防災教育カリキュラムと新学習指導要領、プログラミング教育手法の調査及び分析を行い、プログラミング教育手法を防災教育に適用した学習プログラムと学習用教材の開発に取り組み、開発した学習プログラムと学習用教材を使用した小学生を対象とする検証授業を実施した。 研究成果として、プログラミング学習用ソフトScratchを防災教育教材として活用した検証授業の実施により、プログラミング教育教材を活用した防災教育教材は児童が興味を持って課題に取り組める教材であること、プログラミングの考え方を学びながら災害の危険とその回避方法を学ぶことができること、防災教育におけるプログラミング教育教材の活用は、文部科学省が示している防災教育及びプログラミング教育の実施における教育のねらいの達成と、アクティブラーニングの実施において、有効なツールとなり得ることを確認した。これらの成果は、日本建築学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
公立小学校教員との協力関係を構築し、初年度後半以降に計画していた、プログラミング教育手法を防災教育に適用した学習プログラムおよび学習用教材の開発と、それを用いての小学校の児童を対象とした検証授業を実施していることから、研究計画はおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、開発したプログラミング教育教材を活用した防災教育教材の教育効果の評価方法(「防災教育とプログラミング教育とのマッチング」、「プログラミング教育における児童の思考過程」、「学習成績の向上」などを検証するための授業計画)をより明確にし、引き続き教材の設計・開発と実践・評価に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
検証授業の授業補助者として学生謝金を計上しているが、検証授業に参加した児童の人数が当初の見込みよりも少なかったことから、3名を予定していた授業補助者数を2名にして実施したため、学生謝金が1名分減額となった。 次年度も複数回の検証授業を計画しており、授業補助者としての学生謝金、必要な資機材の購入費を計上する。また、国内の学会大会参加費等も支出予定である。
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