研究課題/領域番号 |
19K03068
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
吉田 広毅 関東学院大学, 国際文化学部, 教授 (40350897)
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研究分担者 |
中山 晃 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (70364495)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 反転学習 / リメディアル教育 / ファシリテーション / 学習不安 / 自律的学習 |
研究実績の概要 |
研究初年度であった2019年度には、当初の研究計画の通り、反転学習のテーマ、内容を検討し反転学習教材を開発するとともに、「反転学習不安仮尺度」を作成し、ファシリテーション計画を検討した。具体的には、反転学習を実践するグループウェアとして、想定される学習者の利用率が高い学習支援システム(LMS)manabaを活用することとし、そこで英語のリメディアル教育を行うこととした。 また、反転学習に際して学習者が抱える不安要因として、①コミュニケーション不安、②達成不安、③学習不安、④テクノロジー不安の4要因を明らかにした上で、「反転学習不安仮尺度」を作成した。 初年度の作業の手続きとして、①条件整理及び基本方針の策定:2か月(4、5月)、②反転学習のテーマ・内容の検討:2カ月(6、7月)、③反転学習教材の開発:4ヵ月(8~11月)、④反転学習不安の調査:2カ月(10、11月)、④調査結果の集計・分析:2カ月(12月、1月)、⑤「反転学習不安仮尺度」の作成:2カ月(2、3月)、⑥ファシリテーション計画の検討:4ヵ月(12~3月)という工程で研究を実施した。 反転学習不安は、調査対象から自由記述で聞き取り、KJ法により分類するボトムアップ的手法で明らかにし、尺度作成のための追調査を経て、最終的に15項目から成る「反転学習不安仮尺度」を作成した。また、次年度からの反転学習の実施に備えて、学習で用いるシステムを選定し、学習環境を設定するとともに、学修内容を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画の通り、2019年度には、反転学習のテーマ、内容を検討し反転学習教材を開発するとともに、「反転学習不安仮尺度」を作成し、ファシリテーション計画を検討した。このことから、本研究課題の進捗状況はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、反転学習を試行するとともに、その試行結果のヒアリング調査を行うことを予定している。また、「反転学習不安仮尺度」を活用した質問紙調査を行い、その結果に基づいて「反転学習不安尺度」を作成する予定である。さらに、反転学習にあわせてファシリテーションを試行するとともに、ファシリテーションマニュアルを作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、研究分担者、研究協力者と研究の打合せを行うことを目的として、横浜―松山間を複数回、往復することを予定していた。しかしながら、実際にはオンラインでの打合せを実施するなどしたため、旅費関連の支出が当初より減少したことで次年度使用額が生じた。なお、打合せ自体は計画通り行われ、その結果として当初予定通りの計画で研究を遂行することができている。 次年度は、予定している研究のための打合せを計画通り行うとともに、昨年度の研究成果を学会および国際会議で積極的に発表することで、予算を有効活用したい。特に、次年度は反転学習の学習者へのファシリテーションの在り方を考察し、具体的なファシリテーションの方策を策定するためのマニュアルの作成を予定していることから、研究分担者、研究協力者との連携をこれまで以上に取りながら研究を進める。
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