研究課題/領域番号 |
19K03069
|
研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
兵頭 和人 神奈川工科大学, 創造工学部, 教授 (10271371)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 組み込み技術者養成 / 学習支援システム / 産学連携 / IoT / センサーフュージョン |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「座学における体験的演習(座学において得た知識の定着し活用する力の育成)」、「企業における新人研修(製品開発に必要な技術の学修)」及び「機能試作構築演習(現実の問題に応える技術力の育成)」などの高度技術者育成用の演習や研修を低コストで実現するための教材及びシステム構築ツールを開発することである。 健康状態モニタリングシステムの機能試作を通じて、昨年度開発したバイタルデータ(体温、心拍、血圧)計測モジュールが基礎学修項目の定着、開発期間の短縮に効果があることを確認した。 座学中の体験型演習に対する教員の準備作業を軽減するために、基本モジュール(I/O処理、姿勢計測、モータの速度制御)にスクリプト処理機能を追加した。修正したモジュールを用いた演習はOSに標準のテキスト入出力に対応したアプリケーションのみを使用することで、計測制御実習を実施することが可能となった。同システムを小規模の演習授業に対して使用し、事前準備にかかる時間が削減でき、当日のトラブル数も減少することを確認した。 また、学習した内容を定着させるためには、自宅での学習も不可欠である。スクリプト処理系を追加したことにより自宅での体験実習環境の準備作業も簡素化され、自宅での学習をより円滑に進めることが可能となった。開発した教材を用いることでCOVID-19対応のためオンライン授業に切り替えていた学期の経験不足を補えることを確認した。 大規模システムの開発演習では、システム全体を機能単位に分割して開発作業を進めている。本研究で開発した通信実験モジュールおよび基本モジュールを企業連携開発演習(玉乗りロボットの開発、乳幼児向け健康状態モニタリングシステムの開発)に適応し、チーム内での役割分担(システム全体の開発、計測モジュールの開発、新規デバイスのテスト等)に応じた研修内容を構築可能であることを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は、研究期間内に高度技術者育成用の演習や研修を低コストで実現するための教材及びシステム構築ツールを開発することである。 本年度は、基本モジュール(I/O処理、姿勢計測、モータの速度制御)へのスクリプト処理系の追加、通信モジュールの修正、スマートフォンとの連携を含む開発練習案件(レシピ連動調味料配合サーバー)の追加等は予定通りに進捗している。 しかし、COVID-19の影響により、対面授業における開発教材の検証が不足する状況となってしまった。以上から、今年度の進捗状況を「やや遅れている」と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度:昨年度検証が不足していた対面授業における開発教材の検証を実施する。また小規模ネットワーク構築を含む演習/研修にかかる準備を軽減するためにサブシステム間通信実験モジュールにスクリプト処理系の追加を行う。研修プログラムに関しては、大学生参加型開発の練習用開発案件(3年次生向け、姿勢制御、バイタルデータ計測、調味料軽量システム)の実施、連携企業からの依頼案件を題材に大学生参加型開発(4年次生向け、玉乗りロボットを用いたロボットコンテストの創設、乳幼児向け健康状態モニタリングシステムの開発、レシピ連動調味料配合サーバー)を引き続き実施する。 本研究で得られた成果(ソースコード、回路図、教員/研修担当向けマニュアル等)を公開するための準備を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
消耗品の購入が予定より少なくなったため。
|