研究課題/領域番号 |
19K03070
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研究機関 | 京都外国語大学 |
研究代表者 |
梶川 裕司 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (40281498)
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研究分担者 |
細川 和仁 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30335335)
村上 正行 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (30351258)
姫野 完治 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (30359559)
根岸 千悠 大阪大学, 全学教育推進機構, 特任助教 (60726610)
大山 牧子 大阪大学, 全学教育推進機構, 助教 (70748730)
西口 敏司 大阪工業大学, 情報科学部, 准教授 (80362565)
豊浦 正広 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80550780)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | HMD / 授業研究 / 視線情報 / 注視行動 / 授業改善支援 |
研究実績の概要 |
本研究では,没入型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を活用して授業映像を視聴できる没入型授業リフレクション環境を構築し,その環境で熟練教員の暗黙知を引き出して実習教員に伝達することを目的とした教師教育・授業改善支援システムを開発することを目的としている. (1)受講者の座席に設置した全天周観測カメラで撮影した映像を,没入型HMDを用いてVRで視聴でき,授業への注視の保存と再生を行うシステムを構築した.その上で,通常の視線位置提示に加え,映像切り取り方向の強制,時系列視線位置のプロット,の3種類での注視情報の提供方法について検討した. (2)没入型HMDを用いて,受講者の視線傾向を獲得し,そのデータを分析して行動の特徴を分析した.例えば,前方の受講者席においては,担当教員と発表者への視線の偏りが存在し,時々スクリーンに視線を向けることがわかり,講義中に情報を発するメディアを注視することが分かった.また,教員が対象に視線を向けるような振る舞いや発言を行うと瞬間的に受講者の関心を高めることが可能であることも分かった. (3)授業実施中の教師の「みえ」の基盤となる認知的枠組みを捉えることを目的として,教職経験21年の現職教師と教育実習生の授業実施中の視線および視線配布の意図についての調査を行った.実習生と比べて現職教師は、能動的に視線を配布する割合が高いこと、「子ども集団(複数の抽出児)」に目を向けることが多いこと等が分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
システムの開発については,おおむね順調に進んでおり,視線情報の分析などもある程度の成果を得ることができている.このシステムを活用しての実践や,授業リフレクションの方法の開発については,これから実践を積み重ねて検討していく必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
没入型授業リフレクション支援システムの設計・開発については、計画に基づいて開発,改善を行うことができれば,と考えている.一方で,授業実践については,コロナウィルス感染症の関係でオンライン授業になっていることから,オンラインなどでできるリフレクションの方法について検討していく必要があると考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
主として,コロナウィルス感染症によって出張旅費が予定より少ない利用になったことにより,残高が生じている。今年度についても旅費が少ない利用になることが予想されるため,パソコンやカメラ,センサなどシステム開発に必要な予算に充当する予定である.
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