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2020 年度 実施状況報告書

空気圧制御システムに携わる生産技術者の効果的な育成を目指した教材開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K03077
研究機関独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター)

研究代表者

森口 肇  独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 助教 (60769826)

研究分担者 市川 修  独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 教授 (80302941)
小林 浩昭  独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 准教授 (40770285)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード教材開発 / 空気圧制御 / 教育工学 / 技能伝承
研究実績の概要

空気圧制御システムに携わる生産技術者の育成ニーズが高まる中、高等教育機関では空気圧制御システムを組み込んだ産業機械を扱うために必要な職業教育が重視されておらず、教育カリキュラムや教材が整備されていない。空気圧制御技術者の効果的な育成を実現するには、教育カリキュラムを検討するとともに、数多くの産業機械に組み込まれている空気圧位置決め装置を利用した実習教材を開発し、職業教育に展開することが不可欠である。そこで本研究では、空気圧位置決め装置が持つ幅広い技術要素を整理・体系化するとともに、教材として活用することにより、空気圧制御システムの設計・構築・保守を行う即戦力となる生産技術者の効果的な育成を実現し、技能伝承につなげることを目指している。
2020年度は、空気圧位置決め装置をベースとする空気圧マスタースレーブシステムを用いたワーク搬送装置を開発した。2019年度に開発した基礎実験用のプロトタイプに空気圧シーケンス制御によって動作するピック&プレイス機構を追加して、空気圧制御に関する基礎からシステム開発に至る幅広い技能・技術・知識が習得可能なシステムとした。装置の開発と並行して、2019年度に整理・体系化した空気圧制御システムの設計・構築・保守を行う生産技術者が習得すべき技能・技術・知識を踏まえ、生産技術者の育成を担う職業訓練指導員を対象とした研修コースのリニューアルを行うとともに、新規コース「空気圧回路の電気制御技術」を企画・開発・実施し、空気圧制御技術に関する職業教育に着手した。また、高度職業訓練の総合課程において、空気圧アプリケーション開発実習を想定したワーク搬送装置の設計・製作実習を試行した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

空気圧位置決め装置をベースとする空気圧マスタースレーブシステムを用いたワーク搬送装置を開発し、モデル化、動作確認・特性評価を行うとともに、高度職業訓練の総合課程において空気圧アプリケーション開発実習を想定したワーク搬送装置の設計・製作実習を試行した。装置としてはほぼ所要の性能が得られたが、実習教材として展開するには、より安定した動作が不可欠であることが明らかになった。また、職業訓練指導員を対象とした研修のリニューアルコース、新規コースを企画・開発・実施するとともに、これらのコースで使用するテキスト作成、実習装置の開発を行った上で教育訓練効果を検証し、空気圧制御に関する職業教育への波及効果を確認した。空気圧マスタースレーブシステムに関する研究成果を学会発表にて1件行うとともに、装置の特性評価に関する論文を1編投稿し、掲載された。
以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

2021年度は、ワーク搬送装置を職業教育における空気圧制御に関する実習教材として活用すべく、安定した動作を目指して改良を行い、装置を完成させ、高度職業訓練の総合課程、職業訓練指導員を対象とした教育訓練に展開する予定である。その一環として、2020年度に引き続き、制御系設計に関する技術・知識の習得が可能な教材を開発するため、ワーク搬送装置のモデルを作成し、実機での実験結果との比較・評価を行うとともに、有用性を検証する。また、空気圧制御技術者育成の裾野を広げるため、職業訓練指導員を対象とした研修コースを充実させるべく、開発した教材を用いた効果的な教育訓練のカリキュラム、指導方法などの教育手法を検討する。整理・体系化した空気圧制御技術者が習得すべき技術要素や2020年度まで開催したコースで実施したアンケート結果を踏まえ、ニーズの高い技術要素に関するコースの企画・開発およびその技術要素に関する技能・技術・知識の効果的な習得や技能伝承を目指した教材開発を進める。さらに、今般の新型コロナウイルスの感染拡大においても、空気圧制御技術者の効果的な育成を実現するため、オンラインによる遠隔教育など新たな教育手法の検討に着手する。本研究で得られた研究成果は、学会発表、論文投稿を通して公表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初計画と比較して旅費が大幅に削減されたこと、物品費においては研究機関に整備済みの計測装置を活用しつつ、2019年度に開発したシステムをブラッシュアップして教材開発を行い、経費が削減されたことが次年度使用額が生じた主な理由である。
2021年度においては、旅費、参加費を伴う学会への参加や論文の投稿を予定している。また、空気圧アプリケーション開発実習用教材の職業教育への展開を想定した改良を行い、当初の計画通り完成させるとともに、新型コロナウイルス感染拡大に対応した新たな教育手法の検討に着手する予定である。そのため、研究の完遂には当初計画と比較して多くの経費がかかることが見込まれており、次年度使用額を充填する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Development of a pneumatic master-slave system comprising entirely mechanical components2020

    • 著者名/発表者名
      MORIGUCHI Hajime, ICHIKAWA Osamu, TAGAWA Yasutaka
    • 雑誌名

      Mechanical Engineering Journal

      巻: 7 ページ: 1~15

    • DOI

      10.1299/mej.19-00430

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 空気圧位置決め装置を用いたマスタースレーブシステムの開発2020

    • 著者名/発表者名
      森口肇、市川修、小林浩昭、田川泰敬
    • 学会等名
      Dynamics and Design Conference 2020 (D&D2020)

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公開日: 2021-12-27  

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