研究課題
本研究の目的に向けて、本年度は中学校数学科における授業実践に関する授業計画立案を行いながら、プログラミング教育の従事者に求められる知識・技能について整理し、それに基づく教員研修の教材作成、及び、教員研修の実施を行った。具体的には、昨年度に続き中学校数学科の全ての単元についてその内容を調査し、プログラミング的思考の6つの要素のそれぞれについて、どの単元で扱えるかを検討した。さらに、中学校数学の授業においてコーディングを伴う授業とコーディングを伴わない授業の両方を検討した。コーディングを伴う授業については、技術家庭科の技術分野のプログラミング分野で用いられるロボットプログラミング教材について調査し、それらの教材を数学の授業で活用するような授業指導案を作成した。コーディングを伴わない授業については、Google Classroomを用いた「協働的な学び」を行う中でプログラミング的思考の6つの要素をどのように扱うかを検討し、授業指導案、デジタルワークシート、板書計画を作成した。さらに、昨年度に引き続き、山口県及びやまぐち総合教育支援センターと共同して取り組んでいる教員研修において、プログラミング教育の現場での取り組みについて事例調査及び助言指導を行った。また、学部授業の実践に関わり、教員志望学生のプログラミング教育に関する理解度などを調査した。その結果、授業におけるICT活用は全ての教員・学生が関心を持ち当事者意識も持っているが、プログラミング教育については小学校教員の意欲・関心は高いが中学校・高等学校の教員の当事者意識がほとんど無いという状況は、GIGAスクール構想の推進によってますます加速してしまっている現状が見えてきた。
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山口大学教育学部研究論叢
巻: 71 ページ: 57-62