| 研究課題/領域番号 |
19K03083
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| 研究機関 | 鳴門教育大学 |
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研究代表者 |
川上 綾子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50291498)
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| 研究分担者 |
江川 克弘 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (70633296)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 授業力育成 / 教員養成 / 相互行為分析 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，教員志望学生を対象とした授業力育成のためのプログラム開発を目的としている。開発をめざすプログラムの特徴は，従来，授業分析の一手法として用いられてきた「相互行為分析（授業で児童生徒や教師により交わされる『言語を媒介とした行為(ディスコース)』を主な対象として分析し，そこで生じている学びの様相や過程を明らかにしようとするもの）」を，授業を設計する際のツールとして援用しようとする点にある。そのことにより，授業時に想定されるディスコース間の相互作用や展開を俯瞰的に構造化して捉えることを促し，「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け効果的な授業を設計・実施する力の育成を図ろうとするものである。
２年目にあたる2020年度は，昨年度取り組んだが途中になっていた，相互行為分析を学生に指導する方法の検討や，開発予定のプログラム内で分析対象とする授業場面の要件等に関する検討から着手した。また，その過程において，プログラムで学生が取り組むディスコース・プランニング（マップ形式によりディスコースの展開を計画すること）のトレーニング内容と方法に関する枠組みについて，少なくとも暫定的に決めておく必要性に気づいたため，小学校の複数の教科内容を対象として想定し，プログラムにおける指導の内容と系列についても並行して検討を始めた。それについては，学生にとっては慣れている，授業展開を「細案」として表現させる従来の指導法を一部組み込んだプログラムなど，いくつかのパターンを考案し，現在，整理中である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度には，まず，開発予定のプログラムに導入するディスコース・プランニングの枠組み（マップの記述項目や形式，その指導法）を確定するために，その試行的なフォーマットを作成し，学生を対象とした調査を実施する計画であったが，所属機関における新型コロナウイルス感染症への各種対応による影響を受け，本研究課題に係る研究活動時間の配分が予定していたものより少なくならざるをえず，さらにコロナ禍における学生の状況を考慮したときに上記の指導や調査をオンラインで即座に実施するのは困難であったこともあり，その段階まで至ることができなかった。したがって，そのあとに予定していたプログラム本体の開発についても，学生や現職教員を対象としたプロトタイプの試行や評価は実現しなかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
2019年度末から始まった新型コロナウイルス感染症による研究遂行への影響が2020年度を経て2021年度にもまだ続くと思われることから，現時点では，補助事業期間を当初の3年から4年へと延長申請し，研究計画を一部見直して進めていきたいと考えている。
そこで2021年度は，上記「現在までの進捗状況」の理由欄に記した，ディスコース・プランニングの枠組みの確定，及び，そのあとの授業力育成プログラムの開発（相互行為分析用授業映像記録の収集と編集，相互行為分析やディスコース・プランニングに関する指導の系列化とそれらの学習用ガイドラインの作成等）を，可能な範囲で学生を対象とした試行と評価を行いながら進める。その際，試行評価結果を参考にしながらもそれに過度の制約を受けることなく，ディスコース・プランニング並びにプログラム本体に関していくつかのパターンを準備しておき，それらを組み合わせて複数バージョンを作成するなどして，次年度の実施を予定している本格的な指導実践と効果検証のあとのプログラム改良作業をスムーズに進められるように備える。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により，昨年度からやや遅れが生じていた研究の計画を巻き返すことができず，今年度も予定していた調査等の実施に至らなかったことに加え，感染拡大により関連学会がすべてオンライン開催となったため学会参加に伴う旅費の支出が一切なかったこともあり，次年度使用額が生じた。
この使用計画については，2021年度もコロナ禍により，調査等の研究の遂行に支障の生じる可能性が想定されること，対面での学会開催がまだ難しい状況にあること等から，補助事業期間を当初の3年から4年とする延長承認申請を行い，2020年度に生じた次年度使用額と2021年度に配分される予定の経費を合わせて2021～2022年度の2年間で使用する計画へと変更することを検討している。
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