研究課題/領域番号 |
19K03084
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
植村 宗則 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (50636157)
|
研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
中村 亮一 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (30366356) [辞退]
富川 盛雅 九州大学, 大学病院, 特別教員 (60325454)
長尾 吉泰 九州大学, 大学病院, 助教 (70608968)
江藤 正俊 九州大学, 医学研究院, 教授 (90315078)
川平 洋 自治医科大学, 医学部, 教授 (90447285)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 手術トレーニング / 手術工程解析 / 手術ログ解析 |
研究実績の概要 |
本研究では、「手術が上手いとは何か、手術が上手くなることとはどのようなことか」をより深く定量的・客観的に解明し、その成果を昇華し、外科医の技量に応じた質の高いフィードバックと明確なトレーニングストラテジーを提供する革新的で科学的な内視鏡外科手術トレーニングプログラムをパッケージとして開発する。リアルタイムにフィードバックを返すことが出来る“コーチング”システムの開発:申請者らの開発した腸管縫合シミュレータは、タスクを完了し完成させた縫 合の質をも定量的に評価することが可能である。30名以上の熟練医の腸管モデル縫合中の動作の手術工程解析(SPM)とビッグデータ解析技術を融合させた縫合の定量的品質評価により、1.術前計画と術中の操作による相違点の自動抽出、2.熟練医の無駄のない動作と高品質の手術結果との関係を解明した。さらに、どの時点のどの操作が手術結果の品質にどのような影響を及ぼすかを明らかにし、熟練に至らない外科医(修練医)の動き一つひとつについて細やかで的確なフィードバックを返すシステムを確立する。また、SPMを自動化させることによりフィードバックのリアルタイム化を実現する。SPMの自動化にはシミュレータ環境下における鉗子の自動認識エンジンを応用するとともに、申請者らが開発したAI(Chaos Neural Network System)を用い、動作カテゴリの自動分類と動作判別の機械学習を行った。質の高いフィードバックが実現できたかどうかはトレーニングセミナー受講者のセミナー受講前後の成績比較や受講者に対するアンケートなどに基づき評価する。 更に、国産手術支援ロボットを用いたトレーニング手法についても検討を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
トレーニングカリキュラム、トレーニングタスク、トレーニングストラテジーを有機的に結合させ、全体のデザインから運用方法までを含めた教育プログラム(外科教育パッケージ)の具体的モデルの検討ができた。 一方で、新型コロナウィルスの影響により手術トレーニングセミナーにおけるデータ取得が予定より遅れており、代替となる手法を検討している。
|
今後の研究の推進方策 |
外科教育パッケージの具体的なモデルの完成および、手術ロボットを用いたログ解析を実施し、教育パッケージのシミュレーションを行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスにより、学会発表、実地データ計測等の出張が予定より大幅に減少した。 それに伴い、必要な旅費及び物品購入費の使用が予定より少なかった。 実験データ取得方法を従来の手法から遠隔で取得できる実験デザインに変更し、それに必要な装置の購入と整備を行う。 主に、ビデオカンファレンスなどのカメラ、マイクシステムおよびモバイルコンピュータの複数台設置を予定している。
|