研究課題
経験豊富な歯科医師(熟達者)の治療技術については、暗黙知や経験知の部分が多いため、それを次世代(研修歯科医や若手歯科医師)に詳細に説明し継承していくのは難しい。基本的な歯科治療に関する暗黙知・経験知を明らかにし、初学者が空き時間に効率的に学ぶことができる学修教材を開発し、指導歯科医および研修歯科医の両者にとって効率的な時間の使い方、働き方改革を目指すように取り組んだ。研修歯科医へのアンケート調査および指導歯科医へのインタビュー結果から、必要なラーニングコンテンツをピックアップし、動画や教材にアクセスしやすい学習管理システム (Learning Management System : LMS)であるMoodle(オープンソース の eラーニング プラットフォーム)に、各専門分野の指導歯科医が作成した説明用コンテンツ(概要・手順および動画)をアップし、研修歯科医が空いた時間に視聴できる環境を整えた。研修歯科医のMoodleへのアクセス状況について確認し、どのようなコンテンツに興味を持つか、さらに、時期や時間の長さについて検討を行った。その後、臨床経験豊富な歯科医師へ動画の改善点について、動画視聴後に半構造化インタビューを行った。アクセス状況の調査では、研修歯科医は、研修スタート時の4月にさまざまなコンテンツへのアクセスが多いことが分かった。最もアクセス数が多いコンテンツは症例報告会プレゼンテーション作成法であり、症例報告会が開催される前の月から同月にかけて明らかに増加した。すべてのコンテンツのアクセス数では、研修歯科医一人当たり平均27.83回で、少ない研修歯科医は3回、多い研修歯科医は198回であった。臨床経験豊富な歯科医師へのインタビューの結果では、おおむねわかり易い動画であると高評価であった。しかし、手指のレストの位置など改善点があることが分かった。
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The Journal of Japanese Dental Education Association
巻: Special Issue ページ: 34-35
10.24744/jdea.2024.Special.0_1
岳陽同窓会雑誌
巻: 1 ページ: 21-25