本研究の目的は協働学修における学生によるピアレビューの確実性を高め、それとともに、学生の主体性や自律性、そして、学修への意欲を向上させる学修環境をクラウド技術により実現することである. 研究実施計画は、最初のステップが「ピアレビューの分析にまで学生が関わるプロセスを取り入れた協働学修の授業設計」であり、本研究では、「情報科学」、「文章指導」、「早期体験学習」など医療系も含めた多種多様な授業科目で協働学修の設計を行った。また、ピアレビューの分析に問われるデータ分析力の醸成の観点から、本学の全ての学部で数理・データサイエンス・AI教育プログラムを設計し、これが文部科学省「数理データサイエンスAI教育プログラムリテラシーレベルプラス」に認定・選定されるに至った。 第二のステップが「クラウド技術を応用した協働学修の環境構築」である。特に、コロナ感染対策の観点からも進展を遂げ、オンラインアプリケーションを活用しながらクラウド空間内で協働学修を実施できる環境を構築したのみならず、これを、本学DX(デジタルトランスフォーメーション)推進計画にまで発展させ、文部科学省「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」に採択されるに至った。 第三のステップが「学生によるピアレビュー の確実性の検証」である。ピアレビューの分析にまで学生が関わるプロセス を取り入れた協働学修の授業を繰り返して、学生によるピアレビューの確実性を検証した。さらに、AI(学修ログ活用システム)が座長を務める早期体験学習発表会サイトを開発し、この結果、学生は他者の発表を、興味を持ちながら正確に他者を分析して評価することができていたとの検証結果を得た。 最後のステップが「シラバスの公開と意見交換」である。事業の成果は、本学DX推進計画サイトに公開をしており、広く学外からの意見も収集しながら、本事業の成果の普及を図っている。
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