本研究は次世代の高度な IoT 技術者育成のための教育プログラムの開発を目的として研究を進めた。IT人材白書などにおいても日本においてIT人材が不足しており、技術者の育成が急務であるとの記述がある。多様化、高度化する IoT 機器を適切に利用できる次世代の IoT 技術者育成のための教育プログラムを開発するためにアジア地域から高い評価を得ている日本発の高専教育に、理数系に対する教育の見直しとして国際的にも推進されているSTEM教育を統合した教育プログラムを開発し、物理・数学・工学を融合できる次世代の高度な IoT 技術者育成を目指した。研究1年目に出てきた問題点を解決するために、昨年度の研究において小学校の低学年でのプログラミング教育に利用できるシールとスキャナを使用する新しいプログラミング教材を試作し、小学校24校(児童約1600人)での実証実験で出てきた問題点の分析から、装置およびアプリケーションのインターフェースなどの改良を行った。今年度も、新型コロナウイルス感染症蔓延のため外部機関での実証実験が難しかったがオンライン授業にて大学生が講師となり科学館で4度、小学校1校で実証実験を実施し、改良した教材システムの有効性を確認できた。ただし、最終的に行う予定であった物理実験が感染症蔓延のためできなくなり、代わりにホログラフィーを使ったシステムを試作した。これに関しては動作確認はできたが、実証実験まではできなかった。
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