研究課題
CSアンプラグド(コンピュータ・サイエンス・アンプラグド)はコンピュータを使わずに情報科学を体験的に学習する、学習効果の高い教育方法であり、海外では多く研究されている。しかしながら、従来の研究の多くはCSアンプラグドの体験段階で終わっていたり、本格的なプログラミング(フルフレッジド・プログラミング)教育への接続性の観点からは限定的であったりする。そこで本研究では、CSアンプラグドを補完する新しいアプローチとして「CSプラグド」という方法を提案してきた。すなわち、CSアンプラグドは「コンピュータを使わない」ことが基本思想であるが、フルフレッジド・プログラミングへの展開を目指すためには、橋渡しとなる「コンピュータを用いた」教育手法が不可欠であることを提起するものである。本研究では、CSアンプラグドをフルフレッジド・プログラミングに接続する6段階であるStep1からStep6(Step1:CSアンプラグド、Step2:CSプラグド、Step3: Activityの処理過程の図解(可視化)、Step4:Activityの処理過程の自然言語記述(抽象化、要素抽出)、Step5:独自の表現を付加したテーブル・トレースによるアルゴリズムの動作確認(検証)、Step6:本格的なプログラムコードの記述(抽象化、符号化))までの各段階に対応する典型的な教材の開発を行い、学生に対して評価実験授業を実施し、その効果を確認した。新型コロナウィルス感染症の影響により、十分な実験授業を行うことができなかったが、一定の評価が得られた。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
International Journal of Education and Pedagogy
巻: Vol. 4, No.3 ページ: 241-252