研究課題/領域番号 |
19K03111
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
辻 耕治 千葉大学, 教育学部, 教授 (50359840)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | SDGs / 農業教育 / 環境教育 / 日本 / 東南アジア / 南アジア |
研究実績の概要 |
本研究は、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に農業・環境教育が資するために有効な教材・授業内容および教員研修プログラムを、日本・東南アジア・南アジアの大学・高校・中学校・小学校が連携した教育実践研究を基に作成・提言することを目的とし、4年計画で取り組むものである。1年目の本年度計画した活動は(1)各国の農業・環境教育についての学校現場と政府指針の変遷、その背景にある価値観・倫理観、生徒と教員の意識・知識等の調査(2)教材・授業内容および教員研修プログラムの立案、の2つであった。 活動(1)について:「各国の農業・環境教育についての学校現場と政府指針の変遷、その背景にある価値観・倫理観」については、各国の研究協力者に執筆を依頼し、総説形式の書籍出版を目指して編集作業を進行中である。「各国の農業・環境教育についての生徒と教員の意識・知識等の調査」については、日本3校、インドネシア6校、ベトナム6校、インド6校、タイ2校の小学校・中学校・高校・大学の児童・生徒・教職員を対象に、アンケート調査を実施した。収集したデータは現在解析中であるが、1例として、「SDGsという言葉をこれまでに聞いたことがあったか」との質問に、「いいえ」との回答が9割以上の学校も複数存在する結果となった。この結果から、立案する教材・授業は、SDGsについて初歩的な部分から説明するように配慮した内容とする必要があると考えている。 活動(2)について:活動(1)で収集したアンケートデータをふまえつつ、現在立案中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)台風の影響で搭乗予定便が欠航となり、予定していた海外での活動1回分が実施できなくなったため。 (2)各国の研究協力者が積極的で、各国の学校で収集できたアンケート回答数が当初の見込みより多くなり、データ入力・解析に時間を要しているため。 (3)総説様式の原稿を持ち寄っての書籍出版については、原稿提出が遅れている研究協力者がいるため。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、本年度の計画より遅れている事項に対処していく。具体的には下記のとおり。 (1)キャンセルとなった海外での活動を実施する。(ただし、新型コロナウイルスの影響で、実施可能か不透明。) (2)収集済のアンケートデータの入力・解析を進める。時間は要するが完了可能な見込みである。 (3)総説様式の原稿を持ち寄っての書籍出版を完了する。そのため、原稿未提出の研究協力者にリマインドしていく。 当初の計画では、次年度は「各国の小学校・中学校・高校・大学で授業・研修を試行し、参加者から事前・事後アンケートを回収する。アンケートデータの解析は研究代表者が一括して行い、年度末の協議会で検証結果を共有する。」としているが、新型コロナウイルスの影響により、変更を余儀なくされる可能性もある。その場合、臨機応変に対応していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
台風の影響で搭乗予定便が欠航となり、予定していた海外での活動1回分が実施できなくなった。そのため、当該出張は次年度に延期することとし、当該出張用に計上していた金額分を次年度に繰り越すこととしたため。
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