研究課題/領域番号 |
19K03114
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
村田 享香 新潟大学, 経営戦略本部, 准教授 (40529393)
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研究分担者 |
三宅 恵子 (村山恵子) 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任講師 (40404058)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 科学コミュニケーション / 非言語コミュニケーション / 性差 / 女子中高生の理系進路選択支援 |
研究実績の概要 |
本研究は,「女性の興味をより喚起する科学講演手法を開発すること」を目標として,非言語コミュニケーション(以下,NVC)における性差を踏まえた効果的な科学講演手法を開発することを目指すものである。令和元年度は「女子中高生が高く評価する講師はどのようなNVCを使用しているか」を調査することを目的として,これまでの研究で入手済みの科学講演中の講師のビデオ映像を,行動コーディングの手法を用いて分析するため,サンプル画像によるコーディングルール(アイコンタクト,身振り,質問,対話などを指標とし,これらの回数と継続時間を計測する)の作成とテストを行った。実際の解析データとなる講師のビデオ映像は各講師30分程度であり,データ容量の膨大さからそのすべてをコーディングすることは事実上不可能であるため,講師のNCVを客観的に評価するための妥当なデータ抽出方法を検討した。また,女子生徒が高く評価する講師のNCVの示唆を得るため,2018年度と2019年度に行った科学講演の受講者アンケートの分析を行った。講演を聞いて将来科学者になってみたいと思った女子生徒は,同男子生徒に比べ,講師の質問の仕方や,スライドで使用されるイラストや動画に注目する傾向があることがわかった。これらの結果は,第16回科学コミュニケーション研究会年次大会で発表した。 この他、講師の科学コミュニケーション能力のバックグラウンドに関連する知見を得るため,2018年度の国立大学自然科学系分野の研究科で公開されている科学コミュニケーション関連科目シラバスを網羅的に調査し,開講件数や内容について,科学コミュニケータ養成の学術政策に取組んだ大学とそうでない大学とで違いがあることを明らかにした。この結果は,第8回日本サイエンスコミュニケーション協会年会において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和元年度は,講師のビデオ映像の行動コーディングから「女子中高生が高く評価する講師はどのようなNVCを使用しているか」を明らかにすることを目指し,コーディングルールを作成したが,対象データの絞り込みが必要となり,その検討に時間を要したため最終的な結果を得るには至らなかった。しかしながら,科学講演の受講者アンケート分析により女子生徒の科学者への興味と関連する講師のNCVについての参考結果が得られたり,当初計画にはなかった大学院における科学コミュニケーション関連科目の調査が進んだりしたため,おおむね順調であるとした。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は,前年度に引き続き,講師のビデオ映像の行動コーディング分析を行うが,対象となる各講演における受講者アンケートの詳細分析を併せて行い,その結果を参考としながら解析すべき対象データの絞り込みを検討することにより,解析用データサンプル作りと評価の効率化を図る。これらを通して,「女子中高生が高く評価する講師はどのようなNVCを使用しているか」を明らかにする。また,「講師の使用するNVCが講師の性別や分野によってどう異なるか」を明らかにするため,理工系分野でも特に男性の多い分野とそうでない分野とで,卒業論文発表会等での講演の様子を撮影し,行動コーディング分析に必要な新たなデータを取得する。 令和3年度には,前年度に取得したデータの分析を行い,男性中心のコミュニティにおけるNVCの特徴を明らかにする。また,最終的に「理工系分野で女子中高生の興味関心を高める効果的なNVCの使用方法」を提案することを目指し,ここまでの研究で得られた知見から,女子生徒の理工系分野への興味関心を高める効果的なNVCを抽出し,実際の講演中に意図的に用いてみることで,女子中高生の興味関心が向上するかどうかを検証する。講師や受講者の性別,講演の分野などに応じてより効果的なNVCの在り方を提案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大防止により、2月に開催された研究会及びそれに併せて計画していた研究打合せがオンラインでの実施となり、それに係る旅費を使用しなかったこと、さらに、3月に予定していた研究員の雇用を自粛したため。
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