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2020 年度 実施状況報告書

天文分野の理解度と思考力を向上させるための空間認識能力向上プログラムの開発と検証

研究課題

研究課題/領域番号 19K03117
研究機関滋賀大学

研究代表者

大山 政光  滋賀大学, 教育学部, 准教授 (80332716)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード天文分野 / 月の満ち欠け / 大学生 / 理解度 / 潜在意識 / 誤答
研究実績の概要

小・中学校で学習する「月の満ち欠け」は児童・生徒だけでなく、大学生でも理解が難しい単元である。しかし、教師を目指す大学生にとっては「月の満ち欠け」を正しく理解しておく必要がある。そこで、大学生の理解状況を把握するため、「月の満ち欠け」に関する調査を実施した。調査では、ⅰ)大学生の「満ち欠け」の理解状況を把握すること、ⅱ)調査内容と理解状況把握の実態、ⅲ)誤答の傾向を探ることを目的とした。
3種類の調査を2回に分けて実施し、すべてを受けた102名について分析を行った。調査1では、図内に球の半分に黒色、残りを白色にした球を置き、その8方位から見た球の見え方を問うた。その結果、正面から45°ずれた位置での正答率は80.4%, 135°ずれた位置では75.5%, 180°ずれた位置での正答率は92.2%という結果が得られた。この高い正答率が大学生の本当の理解度を反映しているかどうかを確かめるため、3ヶ月後に球を半球に換えて同様の調査を実施した(調査2)。その結果、正答率は調査1と比べそれぞれ7~15%ほど下がった。また、各角度において調査1・2の両方に正解した割合を見ると、調査1と比べて正答率は11~25%下がった。さらに、調査1・2の全問正答者は38.2%であった。これらの結果から、球体を用いた調査1では、暗記による回答での正答が含まれており、月の満ち欠けの理解度を正確に反映しないことが分かった。
次に、調査3として実際に見える月の形と見えない形を混在させた図の中から、月の満ち欠けで実際に見える月の形をすべて抽出させることで、潜在意識に関する調査を行った。その結果、球の極を通らない三日月型の形、および、その形の光と影の部分を入れ替えた誤答を選択した割合がそれぞれ80%以上であった。この結果から、球体の見かけの形を問う問題の全問正答者であっても誤認識者が含まれていることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナの状況を踏まえ、2020年度の調査を充分に実施することができなかった。一方で、2019年に実施した複数の調査結果から、「月の満ち欠け」そのものの調査結果には暗記による回答が含まれており、実際の理解度を反映しないなどの成果が得られた。これらを総合し、やや遅れているとした。

今後の研究の推進方策

2020年度に実施できなかった調査および2021年の調査に関して、コロナの状況を考慮しながら、被験者全員が同条件で実施できる環境作りを行い進める。具体的には、2020年度の調査結果で見いだされた誤答傾向は空間認識に関係している。そのため、空間認識力を用いて、この誤答に導く思考を是正できる方法を探る指導方法を検討する。

次年度使用額が生じた理由

コロナの影響により調査を実施できなかったため、2021年度以降に振り分けることとした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Development and validation of astronomy-centred cross-disciplinary teaching materials for fostering thinking development2021

    • 著者名/発表者名
      Masamitsu Ohyama
    • 雑誌名

      Impact

      巻: 4 ページ: 10-12

    • DOI

      10.21820/23987073.2021.4.10

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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