研究課題/領域番号 |
19K03125
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研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
竹歳 賢一 大阪大谷大学, 教育学部, 准教授 (20712334)
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研究分担者 |
安田 傑 大阪大谷大学, 人間社会学部, 准教授 (40631966)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 論理教育 / プログラミング / STEAM |
研究実績の概要 |
「論理的思考力」の各発達段階における発展様相について、大学生と中学生の演繹論理を中心とした論理的思考力の特徴を認識調査により明らかにすることを研究目的とした。認識調査については、中学校第2学年と大学1年生を対象に、数学問題12問(論理4構造×3題),日常問題12問(論理4構造×3題)の計24問で、それぞれの問題は「本命題」「裏命題」「逆命題」「対偶命題」の4つの論理構造の問題を設定した。数学問題は検定教科書レベルの難易度である。数学科の学習において習得した論理的思考力が、日常で使用する論理的思考力にどのように関連しているのかを構造方程式モデルを利用した分析結果をもとに、その特徴について明らかにした。また、結果分析には構造方程式モデルを利用して,数学論理の各4因子(本・裏・逆・対偶命題)から日常論理の各4因子(本・裏・逆・対偶命題)へ全てパスを設定した。これは数学論理が日常論理にどう影響しているのかを探る一つの手立てとして考えたからである。統計ソフトとしてカテゴリカルデータに対応可能なMplus 5.21を用いた。その分析の結果、中学生と大学生で数学逆命題と日常逆命題に構造方程式モデルにおいて有意な正のパスが引けたことより、中学生と大学生ともに,数学逆命題を正解していると日常逆命題も正解していることがわかった。また、数学逆命題ができていないと日常逆命題もできていないことが示唆された。また、「数学逆命題→日常逆命題」には有意な正のパスが見られたが,その他の「数学命題→日常命題」のパスには見られなかったので「数学逆命題と日常逆命題」以外には明らかな関係性は見られなかった。これらの知見から、逆命題の論理構造以外の論理的思考力については十分な教育が必要であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19パンデミックの影響で、本研究の目的・方法に従ったヒトを対象とした対面での各種調査・実験等の実施および資料収集ができておらず当初の研究計画に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19パンデミックの状況を鑑み、5才児,小学校1~6年児童,中学校1~3年における「論理的思考力」の認識調査の分析結果をもとにした幼小中接続における論理カリキュラムの策定をおこない教育実践によるカリキュラムの有効性の評価を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19パンデミックの影響で研究計画に遅れが生じたため、当初計画の予算執行ができなかった。従って、1年遅れで研究を進める予定であり、研究計画に沿って実践研究のための物品費、旅費、人件費・謝金の予算執行をおこなう。
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