研究課題/領域番号 |
19K03130
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研究機関 | 富山高等専門学校 |
研究代表者 |
河合 孝恵 富山高等専門学校, その他部局等, 教授 (60271491)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 金 / 精錬 / 鋳造 |
研究実績の概要 |
1年目は王水法による精錬を行い,還元速度の速い還元剤を用いた純度の高い金微粒子の生成に成功した。そこで別の還元剤として,還元速度の遅い還元剤を用いた金微粒子の生成実験を行った。その結果,約10分間かけてビュレットよりゆっくりと還元剤水溶液を滴下することにより,金微粒子の生成とともに塩化金酸水溶液の黄色が薄くなり最終的に透明になる様子が観察された。また回収率は高い値となった。 カーボン製の鋳型の酸化保護について実験を行った。2重にした石英ガラス試験管の中にコンピュータ数値制御(以下、CNCと表記)加工機を用いて,試験管内径に近い直径に切り出した厚さ8 mmのカーボン板を複数枚入れ,1200 ℃で加熱し,加熱前後の複数枚のカーボン板の重量測定から酸化度を調べた。酸化を防止するため,カーボン板の上にアルミナ板を乗せ,2重の石英ガラス試験管の上にパイレックス試験管を蓋として被せて酸素の流入を防ぎ,その酸化防止効果を調べたところ,いずれもほとんど効果が無いことが判明した。最終的に酸化防止としては,2重にした石英ガラス試験管と8 mm厚のカーボン板1枚で十分であることが確認された。加熱酸化によるカーボン板の重量減少は,ほぼ加熱時間に比例し,最大でも1 wt%以下であったが,外観は少し浸食されていることが確認された。 CNC加工機を用いてカーボン材を加工し鋳型を製作したが,金部分の体積,鋳造温度,鋳造時間等,各種条件の最適化には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の第一段階である,金の精錬についてはおおむね完了した。鋳造用カーボン鋳型の酸化防止方法についても知見が得られ,新規鋳造手法の確立に一歩近づいた。しかし新型コロナウィルス感染拡大による影響により,予定していた実験の一部を完了することができず,工程に遅延が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
コンピュータ数値制御(CNC)加工機を用いてカーボン材を加工し鋳型を製作したが,各種条件の最適化には至っていない。そこで,金部分の体積,鋳造温度,鋳造時間,鋳造時の最適な加圧等について,パラメータを変えて実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により,予定していた実験の一部を完了することができず,工程に遅延が生じたため。 工程の遅延を挽回すべく実験計画を遂行するが,それでも挽回できない場合は,研究期間の延長を予定している。
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