一般的に入手可能な石英試験管で最も大きなサイズの内径に合わせ,鋳型の外径は19 mmφとし,鋳型の空隙部分が直径16.0 mmφ,厚さ0.8 mmとなるように設計・製作した。なるべく簡単に安価に作成できるよう,最も安価な部類に属するコンピュータ数値制御(CNC)加工機を用い,フリーソフトおよびオリジナルプログラムによる制御を行い,厚さ8 mmの黒鉛板から切削加工を行いカーボン鋳型を作製した。 石英試験管の中に,ゴミから回収・精錬した金試料を入れた鋳型や鋳型酸化防止用の黒鉛円柱等を入れ,空気遮断および加圧用として石英試験管を置き,さらにその上に加圧用にステンレス製の長ボルトとワッシャーとナットで作成した重しを置いた。金の融点は1064 ℃であるため,1200 ℃にした電気炉内に石英管を入れ,5分間加熱静置後,取り出し,送風下で空冷後,試料を取り出した。 最終的に本校から出たゴミのみを用い,金の回収・精錬・鋳造を行い,直径16 mmφ,厚さ0.8 mmの漢字4文字(表: 学校金山,裏: 高専金山)の入った金メダルを作成することに成功した。 本研究全体を通して,一個人で,安価に,安全に,ゴミから金を回収し,カーボン鋳型を自作し,鋳造を行い,金メダルを鋳造するプロセスが完成し,新たな魅力ある楽しい実験・エコ活動が創成された。またそれぞれの実験工程については写真・動画を撮影・編集し,公開実験等で活用できるようにした。
|