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2021 年度 実施状況報告書

科学技術コミュニケーションにおける課題共創モデルの有効性

研究課題

研究課題/領域番号 19K03134
研究機関北海道大学

研究代表者

奥本 素子  北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (10571838)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード科学技術コミュニケーション / STEAM / 市民 / マルチモーダル思考 / 分かち持たれる認識主体性
研究実績の概要

2021年度は札幌文化芸術交流センターSCARTS においてリサイクルに関するアート思考のワークショップを開発し、その中での参加者を質的分析を行い、その成果を展示として公開した。本実践は、2020年度、2021年度の2年間かけて実践してきSTEAMワークショップである。
本実践から下記のようにアート的な要素を付け加えるSTEAM教育においては、上流工程における思考の拡張についての効果があると規定し、知識以外の複合的な要素を組み合わせた思考という部分から見ていこうと考えている。
具体的にはマルチモーダル思考という視点である。マルチモーダル思考とは感覚や経験、知識など複数の状態を組み合わせて思考する状態である。科学教育においては近年着目されており、経験や視覚的イメージも科学の世界の理解に効果的だと指摘されている。子供の視点はマルチモーダル、視覚的、言語的双方を組み合わせて理解しているため、学習はマルチモーダル的視点を取り入れる必要がある [Kress, 2001]。AustraliaのPrimary Connectionというカリキュラムでは言語的、視覚的活動を取り入れながら、科学教育を実施している [Tytler R. , 2005]。その背景に科学的概念の表現の仕方が多様であればあるほど、学生は自分なりの表現で理解しているからだという [Tytler, Prain, Hubber, & Waldrip, (Eds.), 2013]。
本研究では、2020年度に行ったワークショップの思考過程をこのマルチモーダルな観点から検証していった。その結果、短期の間に、アーティストが用いる整理法を活用すれば、高校生にとってもマルチモーダル思考が実践できるということが分かった。今後は本分析結果を研究論文として発表する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ渦における状況において、十分な実験環境が整わなかったため、1年間延長して研究を遂行する。

今後の研究の推進方策

本研究の実践において明らかになったことは、アートを用いて社会課題を検討する過程においての成果物は、学習者の主観や経験、そして知識からの解釈という多様な要素が折り重なって表現されているという点である。そのため、分析においては、より思考過程も含めた観察、研究が必要である。本研究ではワークショップの思考過程をすべてカテゴリー分類を行い、各要素の組み合わせを可視化する。その分析を今後行っていく。
また、2021年度の実践であるワークショップは、実際に北大での研究課題と結び付けながらの展開できる可能性が生まれてきた。そのため本実践結果をどのように社会実装に結び付けられるのかも含めて、研究課題の中に取り込みながら発展させていく。

次年度使用額が生じた理由

2021年度において終了しなかった研究分析と論文化を本年度において2022年度に実行する予定である。また本研究において、2021年度におこなった実践である「地球を片付ける」については、その後社会的な課題としても接続できる可能性が生まれてきた。そのため、本研究を社会課題に結び付けて検討していくために、本年度にかけても本研究課題を継続して実施していく必要が生まれた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [学会発表] STEAM ワークショップにおけるマルチモーダルな概念理解の拡張支援の効果について2021

    • 著者名/発表者名
      奥本素子
    • 学会等名
      日本科学教育学会第45回年会
  • [備考] バイオの大きさ/未来の物語

    • URL

      https://www.sapporo-community-plaza.jp/plaplat/04/

  • [備考] 地球をかたづける

    • URL

      https://www.sapporo-community-plaza.jp/plaplat/06/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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