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2019 年度 実施状況報告書

進化の理解に基づいた「生物の共通性と多様性」の見方ができる教員の養成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K03150
研究機関白鴎大学

研究代表者

山野井 貴浩  白鴎大学, 教育学部, 准教授 (40567187)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード進化 / 共通性 / 多様性 / 野外観察 / 経験の消失 / 教員養成
研究実績の概要

「共通性と多様性」は生物を包括的にとらえる視点であり、生物学を学ぶ際に最も大切な見方として、新学習指導要領における生物教育においてはより一層重視される。この視点を養成するには進化の理解が必要となるが、現職教員や教員養成課程の大学生の進化の認識状況は調査されていない。よって本研究は、現職教員および教員養成課程の大学生の進化(系統分類学を含む)に関する認識、およびその認識が「共通性と多様性の視点」を重視した授業の展開に繋がるかを明らかにすることを目的とする。進化に関する認識や進化の受容が進化以外の単元の授業に与える影響についてはこれまでほとんど調べられておらず、国際的にも価値がある。
本研究では、以下の3つのリサーチクエスチョンの解明に取り組んでいる。
研究1:進化に関する認識や受容は、授業での共通性と多様性の視点の重視に繋がるか
研究2:系統分類学に関する理解は、授業での共通性と多様性の視点の重視に繋がるか
研究3:共通性と多様性の見方を身に付けるのに有効な講義方法の検討
2019年度は、研究1については、海外の研究において開発された進化に関する認識や受容を評価する質問紙の翻訳に取り組んだ。研究2については、小学校理科の教科書でよく扱われている生物について、種名や分類体系(科や目)を尋ねる質問紙を作成し、小学校教員養成課程の学生を対象に調査を行った。研究3については、現職の小学校教員および担当クラスの児童を対象に質問紙調査を行い、野外観察を伴う授業の実施状況が児童の自然との繋がりの認識に影響するかを検討した。また大学生を対象に質問紙を行い、大学生の自然との繋がりの認識に小中高の理科教育における自然体験の実施状況は関係しているかを検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2019年度は上記の研究3を中心に取り組んだため、研究1や研究2についてはやや遅れている。

今後の研究の推進方策

2020年度は研究1を中心に取り組む。また研究3については、研究計画を発展させ、小中高時代の飼育体験が大学生の自然との繋がりの認識に与える影響についての評価も行う。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] How can we mitigate against increasing biophobia among children during the extinction of experience? .2020

    • 著者名/発表者名
      Soga M, Evans MJ, Yamanoi T, Fukano Y, Tsuchiya K, Koyanagi, TF, Kanai T
    • 雑誌名

      Biological Conservation

      巻: 242 ページ: 108420

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.biocon.2020.108420

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 生物の共通性と多様性の見方を養う小学校3年生向けの理科授業の開発 ―翅の枚数が少ないハエやカは昆虫かどうかを考える―2019

    • 著者名/発表者名
      山野井貴浩・阿部なつの
    • 雑誌名

      生物教育

      巻: 60 ページ: 130-136

    • DOI

      https://doi.org/10.24718/jjbe.60.3_130

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 小学校における理科自由研究の指導のあり方についての考察-児童および小学校教員対象の質問紙調査の結果から―2019

    • 著者名/発表者名
      山野井貴浩・米田有沙・高山芳樹
    • 雑誌名

      白鴎大学論集

      巻: 34 ページ: 47-61

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 水生植物の気孔の分布から進化の理解を深める中学校3年生向けの授業の開発2020

    • 著者名/発表者名
      仲川将矢・山野井貴浩
    • 学会等名
      第104回 日本生物教育学会全国大会
  • [学会発表] 昆虫の脚のつくりに見られる共通性と多様性を踏まえ進化の理解を深める中学3年生向けの授業の開発2020

    • 著者名/発表者名
      長谷部斗哉・山野井貴浩
    • 学会等名
      第104回 日本生物教育学会全国大会
  • [学会発表] 高校生の外来種に関する認識2020

    • 著者名/発表者名
      山野井貴浩・山内恵里
    • 学会等名
      第67回 日本生態学会大会(名城大学)
  • [学会発表] 中学生の優性劣性の認識に関する大規模調査2019

    • 著者名/発表者名
      山野井貴浩・井澤優佳・金井正
    • 学会等名
      日本科学教育学会第43回年会
  • [学会発表] 中学生の進化の認識に関する大規模調査2019

    • 著者名/発表者名
      山野井貴浩・小川博久・川島紀子
    • 学会等名
      日本理科教育学会第69回全国大会
  • [学会発表] 中学生は優性劣性について誤った認識をしているのか―遺伝学習後の中学生1000人を対象とした質問紙調査の結果から―2019

    • 著者名/発表者名
      山野井貴浩・井澤優佳・金井正
    • 学会等名
      2019年度第3回日本科学教育学会研究会(若手活性化委員会開催)
  • [図書] 歴史を変えた100の大発見 生物: 生命の謎に迫る旅2019

    • 著者名/発表者名
      山野井貴浩(監訳)・日高翼・菅野治虫(訳)
    • 総ページ数
      150
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      978-4621304624

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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