研究課題/領域番号 |
19K03158
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研究機関 | 足利大学 |
研究代表者 |
長谷川 貴之 足利大学, 工学部, 教授 (70553197)
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研究分担者 |
大竹 博巳 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70168970)
山田 篤史 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20273823)
花木 良 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70549162)
河崎 哲嗣 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (00582488)
笠谷 昌弘 富山高等専門学校, その他部局等, 講師 (40527884)
南郷 毅 尾道市立大学, 経済情報学部, 准教授 (30710933)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 理数探究 / 理数探究基礎 / 数学的探究 / 高大接続 / 教材 / 数理的モデル化 / STEM / SSH |
研究実績の概要 |
「理数探究基礎」,「理数探究」は,「将来,学術研究を通じた知の創出をもたらすことができる人材の育成を目指し,そのための基礎的な資質・能力を身に付けることができる科目となることが期待され」ており,事象の観察,問題発見から,具体的課題設定を経て,課題解決に向けた探究プロセスの遂行とその振り返りに至るまで,研究活動に必要な一連の探究の過程を経験させ,その遂行能力を身につけさせることが企図されている. 本研究は,高等学校新学習指導要領における理数科の新設科目「理数探究基礎」及び「理数探究」の数学的探究を軸足とした教材を,高大接続を意識しつつ,下記4過程①~④によって実践を通して開発することを目的とするものである. ①【素材の発掘・収集】当該科目の基本原理を実現し得る学習素材を,本研究グループの先行研究,自然・社会現象の数理的モデル化,STEM 教材,過去のSSH 実践などを参考に発掘・収集する.②【素材における探究プロセスの抽出と教材への具体化】それらを「理数探究基礎」,「理数探究」における探究プロセスを想定して,具体的教材に落とし込む.③【教材の試行的指導による評価と修正】②の教材の一部を高等学校や高等専門学校・大学で試行的に指導し,想定した探究プロセスを生徒・学生が共通して達成しうるかどうか評価し,修正する.④【育成すべき資質・能力の観点からの教材の体系化】①~③の過程を経て蓄積した教材において育成しうる具体的な資質・能力を,新設科目で育成すべき資質・能力の観点から体系化する. 本研究の初年度にあたる2020年度は,主に,①【素材の発掘・収集】の作業と②【素材における探究プロセスの抽出と教材への具体化】の作業を行った.その際,生徒が興味を持って選択でき,その探究の過程を追体験できたりする事象や課題に,照準を合わせてきた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究に参加している主要メンバー・研究協力者は,2005年(平成17年)以来,高大連携カリキュラムに関連する研究(高大接続カリキュラム,数学教育目的論,数学的モデリング,数学的表現・イメージ,学力問題など)を継続的に行ってきた.本研究においても,この過去の研究分担体制を維持し,先ず3つの作業グループに分かれて作業を進め,次に全体会において進捗状況の報告・調整を行った. 教材化可能な素材の発掘・収集(①)とその第一段階の教材化(②)の素案設定を担当する2つの作業グループは,それぞれ本研究グループの先行研究,自然・社会現象の数理的モデル化,STEM 教材,過去のSSH 実践等を,積極的に発掘・収集し,教材化を検討した.
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今後の研究の推進方策 |
初年度(2020年度)の主な作業であった教材化可能な素材の発掘・収集(①)から,徐々に教材化(②)の作業に,更に,教材の試行的指導による評価と修正(③)の作業に移行する計画である. ただし,現状では,新型コロナウイルスの感染拡大防止対策のため,教材の試行的指導の実施対象の確保が難しくなっている.指導現場(高等学校,高等専門学校,大学)における安全対策を第一優先として,地域の感染状況や指導現場の管理者の判断によっては,教材の試行的指導による評価と修正(③)の作業を一時停止する.
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次年度使用額が生じた理由 |
(Case 1) 各分担者が分担金の範囲内で使用額を収める工夫をしてくれたため,3万円弱の差額が生じた.努力の結果の誤差の範囲内と考えられ,次年度でも同程度の増加または減少が見込まれる. (Case 2) 1人の分担者(河崎哲嗣)が,すべて勤務校の自由裁量予算を使って充ててくれた.来年度に持ち越して,3年間の研究計画の後半に予定されている彼の分担業務での活躍に使用していただくことになった.
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