研究課題/領域番号 |
19K03159
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研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
外谷 昭洋 松江工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (20616180)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 電気回路 / 教育教材 / AR / 画像認識 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、これまでブレッドボード型デバイスおよび専用素子デバイスを活用した教育用電気回路教材について開発を行い、この電気回路教材について、その回路要素の配置や接続関係を画像認識で自動検出し、回路解析するプログラムを開発している。2021年度は前年度開発したプログラムをラズベリーパイに移植し、ポータブルな電気回路解析システムを提案したが、表示スピードが4fps(1秒当たり4回の表示)となり、解析速度(実際には画像認識速度)の向上が教材として使用する上での課題となっていた。2022年度はGPUベースの小型コンピュータを使用した回路解析システムについて、ハードウェアの検討を行い、システム開発を行った。実際には、GPUベースの小型コンピュータとして一般的に用いられているJetson Nanoを活用して、開発環境の整備と画像認識システムの構築を行い10fpsの処理速度を実現した。2023年度については、Jetson Nanoが生産中止になり研究の継続が難しくなったことから、Jetson Orin Nanoにハードウェアを変更し開発を進め画像認識の実装まで終了した。また、ハードウェア更新に合わせて画像認識についてアルゴリズムをYOLO v8に変更している。画像認識システムについては、クラウド(Google Colaboratory)上で画像認識モデルを生成し、Jetson Orin Nano上で画像認識を行う形でシステムの実現を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度はJetson NanoからJetson Orin Nanoに使用するハードウェアの変更を行った。画像認識技術の実装に予定以上に時間を要し、進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度に開発した画像認識システムについて、修正節点解析法を用いた回路解析プログラムの実装を行い、回路解析システムを実現する。また、開発したブレッドボード型教育教材および解析システムについて高専生等に使用してもらい、教育効果についての検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度について、目標としていたGPU搭載小型PCの回路解析システムの開発とその教育適用を目標としていたが、ハードウェア変更により画像認識技術の移植にとどまり、目標となるシステムの完成と教育適用まで到達しなかった。次年度は、回路解析システムの完成と教育適用を研究目標とするため、研究費について、主に教育適用時に必要となる回路部品の購入に使用する予定である。
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