研究課題/領域番号 |
19K03168
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
風間 寛司 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 准教授 (20736673)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 算額 / 和算 / 数学教育 / 郷土数学 / 福井県 / 地域教材 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は次の2点であり,それぞれについて本年度の進捗状況を示す。 ア 福井県における「絵付算額(問題の内容を絵画化したものが付された算額)」を中心とした算額や和算書、写本、新資料の調査・研究を行う。 イ アの結果成果を次期学習指導要領と関連付けた地域教材「福井の算額研究ハンドブック」を開発し、科学教育への援用の可能性について実証的研究を行う。 【ア 調査・研究】コロナ感染症拡大防止により、本県に関係する可能性のある和算関係史資料の調査・収集はほとんど実施できなかったが,2人の方から史資料を貸与いただき研究を継続している。また、本県を2度訪れている遊歴和算家山口坎山とその弟子について可能な範囲で調査を継続した。本県の嶺南地区における未調査範囲への調査は行えていない。また、コロナ禍において学会等は中止となり、発表は行えていない。 【イ 科学教育(特に算数・数学教育)への援用】昨年度から継続して、鯖江市をパイロット地区とし、本学のコロナ感染症拡大防止ガイドラインに沿った対策を講じて、昨年度教材化した現存する算額について,異なる条件下で再度教材化し、出前授業による実証的研究を、中学校1校、小学校2校(1校は新規)で実施した。しかし,高等学校における実施はできなかった。 本年度は,第1年次の研究成果を、本学の講義や出前授業、本学ジュニアドクター養成塾において、学生、児童・生徒に紹介することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の目的は次の2点であり,それぞれについてこれまでの進捗状況を示す。 ア 福井県における「絵付算額(問題の内容を絵画化したものが付された算額)」を中心とした算額や和算書、写本、新資料の調査・研究を行う。 イ アの結果成果を次期学習指導要領と関連付けた地域教材「福井の算額研究ハンドブック」を開発し、科学教育への援用の可能性について実証的研究を行う。 【ア 調査・研究】進捗状況は,遅れている。第1年次は,調査・研究の一部を研究会や学会において発表したが,第2年次は,コロナ禍において成果が少ない。また,学会等は中止または延期となり、発表は行えていない。本県の嶺南地区における未調査範囲への依頼については,調整中のままである。 【イ 科学教育(特に算数・数学教育)への援用】進捗状況は,やや遅れている。令和2年度の後半を予定していたが,現存する22面のうち,8面の教材化についての令和元年度から検討を行い,小学校3校,中学校1校,高等学校2校において授業実践を実施した。令和2年度は,鯖江市をパイロット地区にして,小学校2校(内1校は新規),中学校1校で実践した。第1年次に第2年次の計画を前倒して実証的に授業実践を試行し分析を進めていたことが,第2年次の授業実践の試行に活かされた。一方で教材化があまり進んでいない。また,児童・生徒,本学の学生,一般の方に向けて,教材の一端を援用してみているが,第2年次の実施はコロナ禍における制約が大きく,進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍において,調査や学校現場の状況における授業実践に遅れが生じている。推進に不透明さや困難さが残るが,実施可能な範囲で方法を探索しながら,生じた遅れを取り戻すように計画を見直していく。 【ア 調査・研究】第2年次までに収集した史資料の整理・研究と,文献研究を中心に進めていくが,調査・史資料収集が計画通りには進んでおらず,研究期間の見直し,本年度も調査・研究を継続する。また,未調査範囲へのアンケート調査は郵送などの方法を検討していく。学会等がオンラインに移行しており,可能な範囲で情報収集する。 【イ 科学教育(特に算数・数学教育)への援用】第1年次に第2年次の計画を前倒して実証的に授業実践を試行し分析を進めており,第2年次の授業実践を含め,現時点で整理する。その結果を検討しながら,アの基礎研究に基づく教材化を進めていく。また,学校現場の教員にもこれまでに実施してきた内容を示し,オンラインを用いながら協議を進めていく。学校現場の授業実践が,困難な可能性もあるため,各学校の管理職と相談しながら進めていくことになる。遠隔授業の可能性も検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用が生じた理由は,新型コロナウイルス感染症拡大防止の影響である。その結果,調査や授業実践等を進められなかったことである。また,本研究と関連する学会等が延期や中止になっており,旅費の使用ができなくなったことである。 コロナ禍が続いており,今後の調査・研究用旅費に使用する予定であったが,学会等の開催がオンラインとなり,参加に向けたネットワーク環境を整えるための物品に充当する。また,古文書の読解におけるAIの利用や研究のまとめや公表に向けて,パワーのあるコンピュータの購入に充当する。さらに,図書,物品の購入に充当する。なお,調査・研究や実践が進まない状況が生じた場合は,研究を延長して使用していくことも検討する。
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