疑似科学信奉(pseudoscientific belief)と、関連変数についての尺度調査を複数回大学生を対象として実施し、疑似科学信奉の構造と、そこに影響を及ぼす適応的な認知変数との関連を明らかにした。まず、疑似科学信奉は、その対象に応じた超常現象系、医療健康系、日常系の三因子が抽出された。これら疑似科学信奉は、二重過程モデルにもとづく直観的情報処理傾向や向社会的行動傾向、批判的思考のひとつである探究心と正の関連性が認められた。また超常信奉は時間割引課題と正の関連が認められた。これらは疑似科学信奉の強化が科学知識や教育の欠如によると考える一般的な欠如モデルを補うものと解釈された。
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