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2021 年度 研究成果報告書

疑似科学信奉と科学的態度を分ける規定因の解明と、批判的思考教育への応用

研究課題

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研究課題/領域番号 19K03170
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09080:科学教育関連
研究機関信州大学

研究代表者

菊池 聡  信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (30262679)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード疑似科学 / 批判的思考 / 二重過程モデル / 超常信奉
研究成果の概要

疑似科学信奉(pseudoscientific belief)と、関連変数についての尺度調査を複数回大学生を対象として実施し、疑似科学信奉の構造と、そこに影響を及ぼす適応的な認知変数との関連を明らかにした。まず、疑似科学信奉は、その対象に応じた超常現象系、医療健康系、日常系の三因子が抽出された。これら疑似科学信奉は、二重過程モデルにもとづく直観的情報処理傾向や向社会的行動傾向、批判的思考のひとつである探究心と正の関連性が認められた。また超常信奉は時間割引課題と正の関連が認められた。これらは疑似科学信奉の強化が科学知識や教育の欠如によると考える一般的な欠如モデルを補うものと解釈された。

自由記述の分野

認知心理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

疑似科学は医療や健康、教育、環境問題など広汎な領域で社会に深刻な影響を与える場合があり、これに適切に対処することは、現代の教育や行政の喫緊の課題でもある。特に近年は陰謀論や反ワクチン運動などに疑似科学が深く関与していると考えられる。こうした疑似科学信奉に対抗するためには、正しい科学知識の教育で修正していくだけでは不十分であり、人が自然に備えている適応的な認知システムの副産物と理解する必要性が本研究の結果から示された。さらに、こうした疑似科学信奉が生じる過程についての知見は、汎用的な批判的思考(クリティカル・シンキング)の教材として有用であると考えられる。

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公開日: 2023-01-30  

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