研究課題/領域番号 |
19K03179
|
研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
鈴木 裕利 中部大学, 工学部, 教授 (20340200)
|
研究分担者 |
山内 康一郎 中部大学, 工学部, 教授 (00262949)
板井 陽俊 中部大学, 工学部, 講師 (10551971)
舘 伸幸 信州大学, 工学部, 特任助教 (30710256)
石井 成郎 一宮研伸大学, 看護学部, 教授 (80399237)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 実践力 / 教育フレーム / 教材 / カリキュラム / 予実管理 / コロナ対応 |
研究実績の概要 |
本研究の開始年度である2019年度から,工学部の2年次学生を対象に,本研究で開発したカリキュラムによる授業実践(実践2)を行い,その有効性を評価してきた.カリキュラムの内容は,従来の組込みシステムの開発を課題とした授業に,より現実的な要素として厳格な納期設定とそのマネジメントを導入したものである.これは,当初計画にあった技術者からのヒアリングにおいて,計画に沿って行動できることが実践力のひとつであることが示されたことによる.具体的には,教材設計上達成可能と考えられる完成納期と要求品質を設定し,また毎回の授業においてガントチャートを用いて進捗に関する予実管理を行った.遅延学生には,必要工数の再見積もりと主体的な納期交渉の行動を課した.開発プロセスを構成する工程ごとに中間成果物を課し,それぞれに配点を行う方式でルーブリックを試作し,これに基づいて演習授業期間を総合的に評価した.2019年度44名,2020年度22名,2021年度24名,2022年度33名の受講者を対象に研究授業を行った.このうち,2020年度はコロナ対応が求められ,オンデマンド学習もできるよう教材の改善を行った. 完遂率は88%であり,また75%が教材設計上の納期通りに課題を完成させた.ルーブリックによる評価に関しては,得られた得点と,教員による観察の結果に矛盾はなかった.また成績結果に対して,受講生からのクレームもなかった.このことから,開発プロセスベース学習に対して,妥当な評価を導けるルーブリックを開発できたと考えられる. 2023年度は当初の本研究の最終年度であり,過去4年間の授業進捗実績および受講生のアンケート分析を進めた.一方で,本研究で開発した教材のハードウェアプラットフォームを再利用し,これまでとは別の開発課題による新たな授業カリキュラムへの展開を試行した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度計画は主に研究実施期間の実績データの分析であった.しかし,社会要求の変遷に伴い,本研究で対象としていた組込み技術教材にもIoTに代表されるインタネット接続課題の必要性が高まった.そのため,教材のハードウェアは継承しつつ,ソフトウェア開発に関する授業内容の改善を実施した.この作業に伴い,当初予定のデータ分析に遅延が生じた.
|
今後の研究の推進方策 |
授業実施データである,ルーブリックによる進捗推移について,工程ごとの相関などを分析し,特に進捗の悪かった学生の原因を探る.また,授業前後に実施したアンケート分析から,本研究の主目的である実践力の涵養について,分析し考察を行い,現行授業へのフィードバックを実施する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
実績の概要でも述べた通り,研究の進捗予定に対して若干遅れがあり,1年の延長を行う.この使用額については,研究成果の発表を予定している学会参加の費用等への使用を予定している.
|