研究課題/領域番号 |
19K03180
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
田中 博 立命館大学, 教職研究科, 准教授 (40802153)
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研究分担者 |
堀江 未来 立命館大学, 国際教育推進機構, 教授 (70377761)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 国際科学教育 / 国際科学フェア / 国際共同研究 / スーパーサイエンスハイスクール |
研究実績の概要 |
「我が国の中等教育における国際科学教育の評価と今後の方向性の考察」をテーマに、以下の2点について明らかにすることを目的としている。 ① これまで立命館高校で取り組んできた国際科学教育を中心にその評価を行い、成果と課題を確認する。 ② 海外での国際科学教育の実態を明らかにする。とりわけ、海外校で開催されている科学フェアを調査し、より効果的な国際科学フェアのあり方について検討する。 2019年度の取組においては、立命館高校SSH主対象生徒20数名にインタビュー調査を実施し、成果と課題を明らかにするための材料の収集を行った。立命館高校では18年間のSSH研究開発を行ってきており、その中で主対象生徒として卒業した卒業生の中で、理系分野で活躍している卒業生を抽出し、高校時代のSSH取組とそれが現在にどう活かされているのかについての調査を行った。多くの卒業生が、高校時代に開催したJapan Super Science Fairや海外研修での経験が現在に活きていることを語ってくれた。同時に、国際的舞台で活躍する意欲や世界の人々のために貢献したいと考えていることが強く窺えた。 海外調査として、韓国、タイで行われた科学フェアへ参加し、調査を行うとともに、タイの学校との協力関係を強化するための調査、訪問を行った。韓国では世界的に著名な英才教育科学校であるKorea Science Academy of KAISTにおいて隔年で開催されている科学フェアへ参加、タイではInternational Students Science Fairという私自身が立ち上げに関わり、16年間、順次世界各国の科学校において毎年開催している科学フェアに参加した。タイの調査では、高校生による国際共同研究の取組を視察するとともに、タイの著名な科学校3校を訪れ、今後の研究においても協力いただくことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
事前に計画した内容はほぼ順調に終えることが出来た。ただ、事前に予算化した中で実施出来なかった点が2点あった。 1点目は、これまで立命館高校で取り組んできた実践をまとめた冊子を制作する予定であったが、完成させていない。主要な理由は、インタビュー調査のデータを文字化するために予算を使うことにしたための費用の問題であった。予定していた内容はほぼ原稿には出来ているが、構想が少し膨らんでおり、次年度に向けて、より発展させた形で冊子化したいと考えている。 もう1点は、これまで協力して実践を行ってきた国内の協力者との意見交換の会議を行いたいと計画していたが、新型コロナウィルス感染拡大防止のための自粛により、開催することが出来なかった。事態が落ち着けば、2020年度において早急に開催したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度には、昨年度の卒業生調査によって得られたデータを分析することが最も大きな内容となる。そのことにより、生徒の成長の過程を明らかにすることである。また、昨年度はJapan Super Science Fairの成果を中心にして調査を行ってきたが、高校生による国際共同研究による成長についても、明らかにする調査を計画している。 海外調査については、新型コロナウィルスの影響により、多くの取組が中止され、海外渡航についても制限されている中で、どれだけの調査が行えるかが不確定ではあるが、現時点での計画としては、11月にオーストラリアでの科学フェアー(オーストラリア全土から高校生が参加)、1月にタイMahidol Wittayanusorn Schoolでの科学フェアー、3月に韓国Korea Science Academy of KAISTへの高校生による共同研究の調査、さらに可能であれば、12月にカンボジアにおいても高校生による共同研究に関しての調査を行えればと計画している。 また、2019年度に見送ったこれまでの取組をまとめた資料を冊子化して関係各方面へ配布することと、この研究に協力してくれる教員間での意見交換の場を持つことを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまで協力して実践を行ってきた国内の協力者との会議を行いたいと計画していたが、新型コロナウィルス感染拡大防止のための自粛のため、開催することが出来なかった。事態が落ち着けば、2020年度において早急に開催したいと考えている。
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