研究課題/領域番号 |
19K03183
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
森下 佳代子 小山工業高等専門学校, 一般科, 教授 (50344924)
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研究分担者 |
飯島 洋祐 小山工業高等専門学校, 電気電子創造工学科, 准教授 (90565441)
石原 学 小山工業高等専門学校, 電気電子創造工学科, 教授 (20211047)
関根 健雄 小山工業高等専門学校, 一般科, 准教授 (00709769)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 3Dクラフト / 視覚化 / 化学 / 教科書理解 |
研究実績の概要 |
本研究では,化学の本質的理解を促進するための教材開発を目的として,『化学の基礎を直感的に理解するための組立式3Dクラフト教材の開発と効果検証』を実施してきた。まず初めに,1年生の読解力を調査したところ,年々,能力値分布が下方に推移しており,特に,代名詞が指す内容を認識する「照応解決」,既存の知識と新しく得た知識から,論理的に判断する「推論」,定義を理解して,その用法を獲得する「具体例同定」分野の能力が低い学生が増えていることが明らかとなった。問題タイプ別得点率と読解力の分野別能力値を分析したところ,文章問題の得点率と「推論」の能力値には強い相関がみられた。この傾向は教科書読解時にも認められ,文章がやや複雑な分野では,わかりにくさを感じる学生が多いことが理解度調査の結果から確認された。このような対象に対して,電気陰性度および元素の周期性について,教科書の図のみで説明した場合と,本研究において製作した3Dクラフトを用いて説明した場合とで,理解度がどのように変わるか調査したところ,教科書の図のみで説明した場合は本文の内容を正確に理解できない学生も見受けられるのに対し,3Dクラフトを用いて説明した場合は,自由にピースを移動させるなどして直接比べたう元素どうしの物性を視覚的に比較できたり,周期性をビジュアルで感じることができ,本文の理解も進むことが明らかになった。また,後者ではブロックを並べる感覚で組み立てるため,楽しく取り組むことができ,学生のモチベーションがアップすることも確認できた。
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