研究課題/領域番号 |
19K03197
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
高岸 治人 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (90709370)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 社会的価値志向性 / 向社会的行動 / 社会的ストレス / 思春期 / 発達 |
研究実績の概要 |
本研究では、社会的環境の違いによる向社会性の個人差創出メカニズムを思春期世代の若者を対象に横断的、縦断的に検討することで明らかにすることを目的とした。そのために、思春期世代における向社会性の特徴を明らかにすること、他者との関係性が向社会性に与える影響について検討することの2つの研究テーマからアプローチする。2019年度は10歳から17歳までの思春期世代の参加者68名の実験を実施し、経済ゲームで測定した向社会性の行動データ(囚人のジレンマゲーム、独裁者ゲーム、公共財ゲーム、信頼ゲーム、最後通告ゲーム、Social Mindfulness課題)、向社会性に関する質問紙データ(社会的価値指向性尺度、共感性、一般的信頼)、認知能力に関する課題(注意、記憶、抑制機能、表情認知)、保護者との関係性に関する質問紙データ、および学校適応に関する質問紙データを取得した。思春期における向社会性の行動データをこれまで取得した20代から60代までの成人データと比較すると、経済ゲームで測定された向社会行動は10歳から20代にかけて減少傾向を示し、その後加齢とともに増加傾向を示すというU字型の関連があることが明らかになった。これらの結果は、思春期初期における子どもは他の年代と比較しても向社会性が高い状態にあり、その後の発達の過程で向社会性が抑制されていることを示している。また学校適応や保護者との関係性が良好である子どもほど向社会性が高いことも明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の対応のため3月に予定していた実験が中止となった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は引き続き同様の実験を実施することでデータを増やしていく予定である。しかしながら、新型コロナウイルス感染症への対応のため現時点では実験が再開できる目処が立っていない。実験の実施ができない場合は、これまで取得したデータの分析を行うことで、他者との関係性が向社会性に与える影響についての検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月に予定されていた実験が新型コロナウイルス感染症の対応のため中止になり、実験実施に関連する予算を消費できなかったため。
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