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2022 年度 実施状況報告書

日本の幼児・児童の感情理解の発達プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K03226
研究機関名古屋大学

研究代表者

溝川 藍  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (50633492)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード感情理解 / 文化差 / 幼児期 / 児童期 / 感情の社会化
研究実績の概要

本研究の主要な目的は,感情理解テスト(Test of Emotion Comprehension,以下TEC;Pons & Harris, 2000)の枠組みを用いて日本の子どもの感情理解の測定に適した指標(日本語版感情理解テスト;以下TEC-J)を作成し,これを用いて幼児・児童の感情理解の発達プロセスとその文化差を明らかにすることである。本研究は,TECの開発者であるFrancisco Pons教授(ノルウェー,オスロ大学)との国際共同研究として実施している。2021年度後期は研究を一時中断していたが,2022年度から再開し,これまでと同様に,国内の研究協力者3名(京都大学 子安増生名誉教授,静岡大学 古見文一講師,愛知淑徳大学 蒲谷槙介准教授)と連携して研究活動を行った。
2022年度は,まず,再テスト法によってTEC-Jの信頼性の検討を行った。127名の幼児を対象に,約1か月の期間をあけて2度の調査を実施した。その結果,2度のテストの得点にはかなり強い正の相関が得られ,信頼性が確認された。また,児童を対象とする調査を開始し,児童期以降の発達プロセスに関する示唆を得た。応用研究としては,養育者の感情理解に関する発達観と感情の社会化行動の関連に関する検討を行った。さらに,Francisco Pons教授との研究打ち合わせを実施し,これまでの子ども・成人を対象とした調査から得られた知見をふまえて,日本の子どもの感情理解の発達を把えるための尺度,感情発達の文化差,及び今後の研究プロジェクトの展開に関する議論を行った。研究成果については,学会発表を行うとともに,論文投稿の準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2019年度と2022年度は,順調に研究を遂行することができた。日本の子どもの感情理解の発達プロセスの解明のために予定していた大学生調査と幼児調査はおおむね完了し,児童調査を開始している。さらに,養育者対象の応用研究も実施することができた。しかし,2020年度からの新型コロナウイルス感染症拡大の影響による調査の中止や,2021年度後期の研究代表者の休業による研究中断などの理由で,全体として当初の計画よりも進捗が遅れている。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染症拡大の影響と研究代表者の休業による研究中断のために,当初の研究期間内(2019年度~2022年度)に研究を完了できなかった。そのため,研究期間を延長して,引き続き研究を遂行する。2023年度は,児童を対象とした調査を実施する。また,大学生を対象とした追加調査を実施する。さらに,本研究から得られた成果をまとめ,雑誌論文,学会,図書等で発表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

前年度までの研究の遅れにより繰越金が生じている。繰越分については,調査の実施と研究成果の総括のために使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] オスロ大学(ノルウェー)

    • 国名
      ノルウェー
    • 外国機関名
      オスロ大学
  • [学会発表] 養育者の感情発達観と我が子のネガティブ感情への対応:子どもの性別による違い2023

    • 著者名/発表者名
      溝川 藍・蒲谷槙介
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会

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公開日: 2023-12-25  

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