研究課題/領域番号 |
19K03234
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
平井 美佳 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 教授 (60432043)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自己と他者の調整 / 父親 / 乳幼児 / 家庭と仕事 / 育児休暇 |
研究実績の概要 |
本研究は,子育て期の男性がどのような「自己と他者の調整」を行うかについて検討を行うことである。2年目にはコロナ禍により研究計画の変更を行い,第1回目の緊急事態制限時に「ステイホーム」となったことが男性たちの家族や仕事への関わりにどのような影響を与えたかを調査した。その結果,在宅勤務が増えることで,「家族する」程度が増え,夫婦および仕事の調整を行い,また,これらのことが家庭および仕事の満足度,ひいては生活・人生満足度を高めたことが示唆された。これを受け,父親としての発達を促す要因について,当初の計画通りに育休取得の前後についての変化を検討するべく,また加えて,父親としての発達に関わる社会的表象について検討するために,2021年度は,主として以下の3点に取り組んだ。 第1に,上記の調査時に合わせて収集した性別役割観についての分析を行った。具体的には男性の持つ価値観による個人差について検討した。その結果,「男性は仕事も家庭にも積極的に関与すべきだ」と考えている人は,家事育児にも積極的で満足度も高いものの,仕事よりも家庭の方をより重視している男性らに比べてやや自己中心的な傾向が認められた。 第2に,朝日新聞の子育てに関するコラム「きみとドタバタ」の記事10年分を収集し,質的分析を開始しした。 第3に,育休取得による男性の変化について2022年度に調査するために,先行研究を精査し調査内容を決定した。また,調査協力を依頼する企業の検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響が続いていること,育休取得を巡る状況が変化していることから,全体として研究の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
調査対象となる男性会社員を募集するために,企業の協力を得る計画である。この際,男性社員の育休取得推進に積極的な企業とそうとはいえない企業とを募集する予定である。また,この調査に計画・実施にあたっては,長年にわたり父親研究に関わる研究者にも加わってもらい,協力を得ることも検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
前々年度,前年度における次年度使用額もあった。コロナ禍によって学会発表等のための旅費が発生しなかった。2022年度は,個別の個人に調査協力を依頼することから,謝金が発生する。また,昨年度見送ったPCを本年度に購入予定である。
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