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2021 年度 実施状況報告書

芸術創作プロセスにおけるずらしと省察の関係からみる創造的な熟達過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K03242
研究機関東京未来大学

研究代表者

横地 早和子  東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (60534097)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード創造性 / 芸術創作 / 創造的認知 / 熟達 / 探索
研究実績の概要

本研究は,芸術家の創造的な熟達過程の一端をとらえようとするものである。熟達すると創造性が阻害される等、両者の両立は難しいと考えられてきた。しかし,芸術家が継続的に創作活動を行う際に用いると考えられる「芸術創作プロセスのずらし」(岡田ら、2007)と,創作活動の経験等を振り返り捉え直す「省察」が,創造的な熟達過程において重要な役割を担うことが明らかになりつつある。ずらしは,いわゆる発想法とは異なり,既存の知識やこれまでの経験を踏まえて新しいことを考える等,多くの場面で人間が用いている通常の認知操作である。本研究は心理実験を用いて,ずらしと省察の関わりについて仮説検証を行うものである。
2020年度は,「芸術創作プロセスのずらし」と,創作活動の経験や知識を構造化する「創造活動に対する具体的な省察」の関係から,創造的な熟達過程を解明することを目指した実験等の考案を行った。具体的には,現代美術家を対象とする現場実験を計画し,ずらしのタイプ毎にみられ る成果物の量的・質的違い,省察のタイプやプロセス,省察によって構造化されるものの違いを検討することを目指そうとした。特に今回の現場実験では,課題実行とその省察活動を繰り返す必要があるため,数日間かけて行う必要があり,実際の美術創作の中で生じるずらしやずれの結果を抽出し,創作者本人の捉え方の変化などもデータとして収集する必要性がある。しかしながら,感染対策等の難しさから実験の実現には至らず次年度にずれ込む形となっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウィルスの影響により,予定していた予備実験等の実施が困難となり,遠隔でも実施が可能な実験等の計画も行ったが,当初の目的を達成するためにはやはり現場実験がふさわしいとの結論に至ったため,実質的には実験実施が困難な状況にある。そのため,繰越申請を行い2022年度に実験等の実現を目指すこととなった。

今後の研究の推進方策

2022年度への繰越申請が認められたことを受け,計画している現場実験の実施を目指す。先に述べたとおり,現代美術家を対象とする現場実験を計画し,ずらしのタイプ毎にみられる成果物の量的・質的違い,省察のタイプやプロセス,省察によって構造化されるものの違いを検討することを目指す。特に今回の現場実験では,課題実行とその省察活動を繰り返す必要があるため,数日間かけて実験を行う必要があり,実際の美術創作の中で生じるずらしやずれの結果を抽出し,創作者本人の捉え方の変化などもデータとして収集し分析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

予定していた実験等の実施が不可能であったため、繰越申請を行い,次年度の研究計画実施に充てる。具体的な使用計画としては,実験等で使用する物品200000円,旅費100000円,実験参加者らへの人件費400000円,その他(文字起こし等)500000円を用いる予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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