本研究では,学童期における自己意識の発達的特徴を,20答法またはそれと類似した方法によって捉えることに主たる焦点を当てた。研究レビューでは,嗜好についての表現や自己の能力についての言及は小学生から中学生にかけてよく見られること,また,年齢が高くなるにつれ自己に対する評価が低くなる傾向があることが明らかになった。実証研究では,2019年度に収集したデータの分析をもとに,自己の構成の様相の検討ならびに,好き・嫌いといった嗜好に関わる表現や得意・不得意といった自己の能力についての表現の出現頻度や様相の検討を行い,その発達的変化の特徴を明らかにした。
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