研究分担者 |
松本 麻友子 神戸親和女子大学, 文学部, 准教授 (00771693)
橘 春菜 名古屋大学, 教育基盤連携本部, 特任准教授 (10727902)
中島 奈保子 修文大学短期大学部, 修文大学短期大学部, 講師 (10831141)
梅田 弥玲 (松岡弥玲) 愛知学院大学, 心身科学部, 准教授 (30571294)
内山 有美 四国大学, 生活科学部, 講師 (60735843)
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研究実績の概要 |
”育児は親の義務である”という社会通念がある中、なぜ育児に向かわない親がいるのか?というリサーチ・クエスチョンに対し、本研究は動機づけ(motivation)の概念を用いて、意識的・非意識的の両面から育児行動の発生メカニズムを解明するとともに、育児への動機づけ(以下、”育児動機づけ”とする)の促進・低減要因を明らかにすることを目的とした。 令和4年度は、Single Category IAT (Karpinski & Steinman, 2006)の理論をもとに本研究で開発した「非意識的動機づけ」尺度(以下、”育児SC-IAT”とする)について、イラスト版と育児関連言語版の有効性について検討するため、2つのバージョンを同一対象者に実施し、個人内比較を行った(中島他,2022)。この結果からイラスト版を採用し、促進・低減要因を検討するための追加データ収集を行った(中島他,2023発表予定)。他方、育児動機づけの意識的側面について研究を進めるため、過年度に収集済みの大学生と親を対象とした意識的育児動機づけ尺度と育児感情に関するデータを分析し、育児経験者と未経験者による育児動機づけの差異を検討した(小林他, 2002)。また、意識的育児動機づけの促進・低減要因と父親・母親の性差を明らかにした(小林他, 2003)、 本研究全体を通じて、育児に向かう(向かわない)親の非意識的な心性を測定するための育児SC-IATを開発することができた。育児動機づけの関連要因の中で、ソーシャルサポートは意識的育児動機づけを促進する効果をもつことが明らかとなった。
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