研究課題/領域番号 |
19K03258
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研究機関 | 白梅学園大学 |
研究代表者 |
江上 園子 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授(移行) (10451452)
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研究分担者 |
三浦 優生 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (40612320)
久津木 文 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 准教授 (90581231)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 児童期 / 感情理解 / 感情表出 / 悲しみ / 怒り |
研究実績の概要 |
本研究は、児童期の「怒り」と「悲しみ」の理解と弁別の変遷とその調整と表出について、関係特性的な側面から縦断的に検討していくものである。児童期は、感情の発達に関して乳幼児期ほど注目を浴びておらず、データも少ない。しかし、児童期中期に迎える認知的な発達の壁があることから、この時期の感情発達をつまびらかにすることは重要である。とくに、「怒り」と「悲しみ」という、子どもの年齢によって、あるいは本人の感情特性によっては混同しがちな感情について明らかにすることは意義があるといえるだろう。当該年度は、データ取集の詳細な内容や分析方法の検討などについて共同研究者とともに活発に議論し、ほぼすべての方向性を決定することができた。方針の決定に伴い、予備研究も本実験にさきがけて行った。その結果、実験時間が想定以上に長くなったことから、実験課題の見直しを行った。その結果をうけ、年度の後半では愛媛と東京との2つの実験室の環境を用意し、双方で協力者を募集し、約35組の児童(小学2年生)とその保護者の協力を得て、データ収集を行うことができた。なお、これらのデータはおもに神戸の研究室で現在分析中である。 また、本研究の予備的な実験をすでに行っていたことから、そのデータをまとめたものを、日本教育心理学会第61回総会と日本発達心理学会第31回大会にて発表し、さらには論文も執筆して学会誌に投稿する準備もできた。そのため、本研究はおおむね計画通りに進んでいると言えよう。ただし、協力者の社会経済的地位が比較的高い傾向にあり、サンプルが偏っている可能性があることが以降の課題である。それに加えて、新型コロナウイルスの影響もあり、本年度の縦断的なデータ収集の目途が立っていないので、今後の研究計画の見直しが必要となるかもしれないことも懸念材料である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、約35組の児童(小学2年生)とその保護者の協力を得て、データ収集を行うことができた。なお、これらのデータは現在分析中である。また、本研究の予備的なデータ収集をまとめたものを、日本教育心理学会第61回総会と日本発達心理学会第31回大会にて発表し、その結果をまとめたものを学会誌に投稿する準備もできた。そのため、おおむね計画通りに進んでいる。ただし、新型コロナウイルスの影響もあり、本年度の縦断的なデータ収集の目途が立っていないので、今後の研究計画の見直しが必要となるかもしれない。
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今後の研究の推進方策 |
本年度も、前年度に協力が得られた対象者に引き続き縦断的なデータ収集を行っていくとともに、新たな対象者の募集を行い、可能な限り、より多くの協力者からデータ収取を行っていく予定でいる。同時に、これまでのデータ分析を終え次第、学会発表も計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度2月より、新型コロナウイルスの問題が生じた。そのため、協力を依頼している園や小学校からの協力を断念せざるを得なかった。本年度もまだ状況が読めないが、新型コロナウイルスの感染の不安がなくなり次第、再度、協力者の募集に努めたい。その際、協力者が得られた際の謝金として使用予定である。さらに、発表予定であった学会が中止になった(発表は成立した)ことから旅費の余りが生じた。今年はこれらの残額については、新たな実験用PCの購入にあてたい。
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