研究課題/領域番号 |
19K03263
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
小野寺 敦子 目白大学, 心理学部, 教授 (40320767)
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研究分担者 |
河野 理恵 目白大学, 心理学部, 准教授 (40383327)
小澤 芳子 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (60320769)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 中年女性 / 自己実現 / 親 / 扶養意識 / エゴ・レジリエンス |
研究実績の概要 |
今年度は、親の介護状況と仕事とのコンフリクトをみていくためにWEB調査を実施した。対象者は介護する親がいる男性(200名)女性(300名)合計500名、平均年齢は55.6歳であった。実の母親の健康になんらからの問題があり、介護認定を受けていると回答したのは、89.4%となっていた。居住状況では、ひとり暮らし5.7%、配偶者と2人暮らし27.3%、自分の家族と同居中15.2%、病院に入院中3.7%、介護施設に入居中20.1%となっていた。コロナの状況の中「最近、実母に会う回数」を尋ねたところ、「全く会っていない」32.7%、「時々会っている」38.6%とあまり実母には会えていない状況にあるといえよう。次に「親の介護や世話を負担に思うことがあった」という設問への回答では、「いつもあった」7.8%「時々あった」32.2%「あまりなかった」25.0%「全くなかった」25.0%となっていた。半数の人は介護や世話を負担に思っていた。「介護や世話を受けている親はあなたを頼っていると思いますか」「いつもそう思う」7.6%「よく思う」11.0%「時々そう思う」20.0%となっており、高齢の親は子どもを頼りにする傾向があることがわかった。また「今の暮らしを考えれば、親の介護や世話にかける金銭的な余裕がないと思うことがある」への回答では、「いつも思う」9.4%「よく思う」9.0%「時々思う」17.4%「たまに思う」21.2%となっており、多くの人々が親の世話に対する経済的状況を心配しているといえよう。さらに「介護や世話をしている親から心が傷つくことをいわれたことがありますか」に対して「非常にそうである」8.2%「かなりそうである」16.4%となっており、親からの傷つく発言を受けた群と受けない群の違いがあると推察される。今後はさらに解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染症の拡大により、対面での面接等が実施できない状況にあった。また、学会発表なども実施が難しい状況にあった。この状況より、本研究全体には進展に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年はコロナ感染症の拡大により研究活動に制約がかなりあり、残念ながら研究が進まない状況であった。前年度(2020年)は、高齢の母親をもつ中年女性へのインタビュー調査を実施する予定であったが、研究協力者である小澤先生の大学が北海道札幌市であったために、打ち合わせにうかがうことができない状況にあった。そうした状況は2021年度も続くと考えられるが、調査対象者を別の方面から推薦してくださることになったので、面接調査を実施できる見通しがたっている。さらに2020年以来のコロナによる自粛生活が続く中、上手に生活を維持しいきいきと生活している人と、いない人がいると予想される。それを左右する要因としてエゴ・レジリエンスが作用していると想定されるため、2021年度の調査ではこのエゴ・レジリエンスを変数に加えて実施をしていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度、コロナ感染症の拡大により実施予定であった対象者への面接が実施できなかったため、前年度予算を執行することができなかった。2021年度は、ZOOMなどを繋いで面接調査を実施する予定であり、このための準備に使用していく。
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