研究課題/領域番号 |
19K03263
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
小野寺 敦子 目白大学, 心理学部, 教授 (40320767)
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研究分担者 |
河野 理恵 目白大学, 人間学部, 准教授 (40383327)
小澤 芳子 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (60320769)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中年男性 / 中年女性 / 実母 / 介護意識 / 心理的葛藤 |
研究実績の概要 |
2021年度はコロナ感染症の再度の拡大により、面接調査を実施予定にしていたが実施が難しい状況にあった。そのため、今年度は中年女性を対象としたWEB調査を実施することにした。調査テーマは「中年男女の母親への介護意識に仕事・家庭・介護の葛藤が及ぼす影響」であった。研究目的:介護や世話が必要な母親をもつ中年男女に介護意識を尋ね、その意識に心理的葛藤が及ぼす影響について検討した。調査対象人数は、介護する親をもつ男性200名(平均年齢56.8歳)女性300名(平均年齢54.8歳・有職者のみ)であった。実母の平均年齢は82.5歳であった。質問項目:①親の世話や介護意識について尋ねた20項目②介護・家庭・仕事という3要因間での心の葛藤を尋ねた18項目であった。分析結果:①について因子分析を実施し「介護ストレス」因子、社会的制約観」因子と命名した。この2因子を従属変数とし②の要因を独立変数とした重回帰分析を実施した。その結果および考察は以下のようである。 ①自分の親の介護や世話のために自分の家族と過ごす時間がとれずにイライラする心理的葛藤は、介護ストレスと社会的制約感に影響を与えていた。②またこの傾向は義理の娘にも認められたが、義理の息子では認められなかった。③実娘の場合、家庭から介護への葛藤が介護ストレスを高めていた。実娘の場合、自分の家族の世話に忙しく実母への介護ができないでいることが介護ストレスを高めているといえよう。④一方、義理の息子の場合は、自分の家庭の事が大変であることが、社会参加や友人と付き合う機会が少なくなることによる社会的制約感をより高めていることが示唆された。⑤実娘は家庭から仕事への葛藤が社会的制約感に影響を与えていた。 本研究の成果は日本発達心理学会第33回大会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度の研究計画であった面接がコロナの再拡大により実施することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は本研究を一年延長させていただき、面接調査を実施を行っていく。 さらに研究全体のまとめとしてWeb調査も実施し、全体的まとめを行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度研究計画としていた中年女性への直接の面談が、コロナ感染症の再拡大により実施することができなかった。そのため、2022年度に研究課題を延長し、コロナ感染症の対策をとったうえで研究を実施していく予定である。
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