研究課題/領域番号 |
19K03265
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研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
小野瀬 雅人 聖徳大学, 児童学部, 教授 (40224290)
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研究分担者 |
松田 浩 長崎大学, 工学研究科, 教授 (20157324)
鈴木 慶子 長崎大学, 教育学部, 教授 (40264189)
藤本 朋美 南九州大学, 人間発達学部, 講師(移行) (50782190)
久保田 健夫 聖徳大学, 児童学部, 教授 (70293511)
千々岩 弘一 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 教授 (90163724)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 書字 / 筆記姿勢 / 執筆法 / 学習指導 |
研究実績の概要 |
令和元(2019)年度の計画は、WEBカメラを使って、対象者(幼稚園・保育園児、小学生、中学生、高校生、大学生各50名)について、教科書掲載モデルでの学習時と通常学習時を撮影する準備段階として、着座姿勢の計測研究に実績を有する柴田滝也教授(東京電機大)に、計測及び解析に関する専門的知識及び技術の提供を受け、少人数の大学生を対象とした予備調査を行い、研究体制を整えることであった。 当初、フリーソフト・Open Poseを利用した着座姿勢の計測システムを構築する予定であったが、柴田滝也教授(東京電機大学)より3回にわたって情報提供と技術協力を得て、Microsoft社のKinect 2(家庭用ゲーム用周辺機器で、コントローラを用いずに身体の動き、ジェスチャー、音声などによる操作が可能なセンサー)とPCのMicrosoft Windows10で起動する新たなプログラムを開発できた。 このプログラムを用いたシステムは、ヒトの対机時の筆記姿勢の画像と同時に、それに連動する24の関節の状態を、調査対象にセンサー機器等を装着せず、一定の距離をおいて設置した装置により計測できる点で優れており、本研究課題の目的に叶うものとなった。実際には、ノートPCとKinect 2のみで構成された「モバイル型筆記姿勢計測装置」を用いる。そのため、学校等での調査で、対象者ごとに短時間で、自然状態の筆記時の姿勢画像と同時に関節の位置を計測することが可能になる。 なお、この「モバイル型筆記姿勢計測装置」については、本課題推進検討会議において研究分担者を対象にデモンストレーションを行った上で、今後の調査計画について検討を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、本研究課題の推進のための「モバイル型筆記姿勢計測装置」を開発できた点にある。本研究では、執筆法(筆記具の持ち方)とその背景については、これまでの研究から部分的にではあるが明らかにされているものの、それと筆記姿勢との関連については、客観的な指標による計測手段がなかったために見送ってきた経緯がある。その意味において、今回、対象者の筆記時の姿勢を、通常の状態(自然状態)のまま計測できる「モバイル型筆記姿勢計測装置」を開発できたことは、今後の調査研究を推進する上で大きな一歩となった。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年(2020)年度は、本年度(令和元(2019)年度)の計画で残された課題をまず行う。すなわち、本年度に構築した筆記姿勢に関する計測システムを用いて、大学生を対象とした予備調査を行い、筆記時の姿勢と関節位置の計測データの関連の検討を行う。続いて、当初の計画にしたがい、研究分担者とともに、幼児、児童、青年期の対象者で調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
対机時の筆記姿勢・執筆法の測定装置の開発にあたり、当初、Open Pose用の物品費使用額約76万円(動画解析用PC:67万,液晶モニター:9万)を予定していたが、実際には、Microsoft社製Kinct2とNotePCを利用した装置で代用できたため、物品費が約56万円で済ませることができた。また、当初予定の調査が実施できなかったので、それに要する調査協力者謝金と資料収集旅費が未使用になった。その残額については、次年度実施の調査において使用する。
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