研究課題/領域番号 |
19K03266
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
都筑 学 中央大学, 文学部, 教授 (90149477)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 時間的展望 / 案電ティティ / 縦断調査 / 潜在変化モデル / 希望進路 / s風食内定 |
研究実績の概要 |
本年度は、縦断調査の2年目であった。大学4年生になった研究協力者に対して、5月(第2回調査)と11月(第3回調査)を実施した。第2回調査の協力者数は303人(男子65人、女子238人)であり、第1回調査(861人)比で35.2%だった。第3回調査(11月)の協力数は164人(男子36人、女子128人)であり、第1回調査比19.0%、第2回調査比54.1%であった。 第1希望の進路先で最も多かったのは一般企業であり、第1回調査61.4%、第2回調査67.0%、第3回調査における決定者65.6%、未定者50.0%だった。第3回調査において、進路決定者の決定先は、一般企業65.6%、大学院15.6%、公務員6.1%、教員3.3%、その他9.4%だった。男女ともに、第1回から第2回にかけて、将来への希望、将来目標の有無、時間管理の得点が低下していた。時間的展望には、顕著な性差は見られない。他方で、女子はEPSI混乱が増加し、男子はEPSI統合が低下していた。一般企業への内定者は、男女ともに4割だった。内定者は、将来目標の有無、EPSI統合の得点が上昇していた。それに対して、内定がない者は、大きな変化は見られなかった。内定の有無の2群の間には、将来への希望、将来目標の有無、時間管理、EPSIにおいて差が見られた。内定を得た学生ほど、時間的展望やアイデンティティがポジティブな傾向にあることが示された。 潜在変化モデルによる、時間的展望・アイデンティティの変化の関係についての検討から、将来目標の有無とEPSI統合との間に正の関連性があることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、縦断調査の第2回目・第3回目の調査を実施し、調査データを収集することができた。また、日本青年心理学会大会(2020年12月)において、第1~3回調査のデータ分析にもとづいた研究発表をおこない、参加者から有意義な意見をもらうことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、第4回調査を5月に実施することになっている。その準備をおこなっているところである。今年度は、3年間の研究期間の最終年度にあたるので、4回の縦断調査のデータ分析をおこなうことが第一の課題となる。 さらに、その分析作業を通じて明らかになった点について、補足的な調査を実施して、検討していくことが第二の課題となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
インターネット調査の協力者数が当初予定よりも減少したために、かかった費用が少なくなったため。
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