| 研究課題/領域番号 |
19K03271
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| 研究機関 | 愛知淑徳大学 |
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研究代表者 |
鈴木 紘子 (中村紘子) 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 助教 (30521976)
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| 研究分担者 |
眞嶋 良全 北星学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (50344536)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 擬人化 / 二重過程 / 非科学的信念 / 目的論的信念 |
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| 研究実績の概要 |
擬人化を用いた説明は科学のテキストなどにもしばしば用いられているが、擬人化が科学的説明文の理解に及ぼす影響については明らかにされていない。本研究では，認知の二重過程理論の枠組みをもとに，擬人化された説明文が直感的でヒューリスティックに基づく説明文理解を促進するか，熟慮的な深い説明文理解を促進するかを検討する。
2019年度は研究の第1段階として、擬人化傾向の個人差を測定するindividual differences in anthropomorphism scale (IDAQ: Waytz et al., 2011) の日本語版を作成し、その信頼性と妥当性を検討した。
次いで、擬人化傾向、直感性・熟慮性と科学的説明文の理解の関連を調べるため、オンライン調査を実施した。科学的説明文の理解を問う項目として、Kelemen et al., (2009; 2013)によるteleological belief (目的論的信念）と科学的知識を尋ねる質問項目を用いた。調査の結果、擬人化傾向と非科学的信念である目的論的信念との間に関係が見られた。擬人化傾向が高いほど自然現象が意図や目的をもって存在するという説明を受け入れやすいことが示された。また、目的論的信念と直感性との間にも関連が見られた。今後は、擬人化によって直感的・熟慮的な説明文の理解過程がどのような影響を受けるのかを、精査していく必要があるといえる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、擬人化と科学的説明文理解の関連を、二重過程理論の枠組みから検討することを目的としている。2019年度は、擬人化傾向の尺度の日本語版を作成した。また、擬人化傾向と自然現象に対する非科学的な説明の一つである目的論的信念との関連を検討し、擬人化によって自然現象が意図や目的をもって存在するという非科学的信念が受け入れやすくなる可能性を明らかにした。
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| 今後の研究の推進方策 |
2020年度は科学的説明文に対して、擬人化を促進・抑制する操作を行い、擬人化が科学的説明文の理解に及ぼす影響をより直接的に検討する。また、その際の認知負荷などを操作し、直感的・熟慮的な文の理解過程に擬人化が及ぼす影響を明らかにする。併せて、IDAQの日本語版尺度の論文化や研究成果を認知心理学会、Psychonomic societyなどの学会で発表することを目標とする。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、2019年度の2～3月に計画していた対面での実験、および、研究分担者との打ち合わせの予定がキャンセルされたため。2020年度は、新型コロナウイルスが収束次第、実験や研究打ち合わせの出張を実施する予定である。
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