研究課題/領域番号 |
19K03278
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
出野 美那子 武蔵野大学, 人間科学部, 准教授 (30583918)
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研究分担者 |
山形 伸二 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (60625193) [辞退]
滝沢 龍 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (30420243)
飯村 周平 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特別研究員 (80862002)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 感情制御 / 感情の社会化 / うつ症状 / 怒り表出行動 / 青年期 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,青年期における,第二次性徴,認知能力,社会的関係と,感情制御の発達の関連およびうつ症状へ及ぼす相互作用的影響について,縦断研究により検討することである。本研究では特別研究員奨励費助成の対象であった三コホートを追跡,計五時点の縦断的研究を行い,後期児童期から青年期を通した,早期成人期への繋がりの網羅的な検討を行った。(なお本研究費では,特別研究員奨励費助成で郵送できなかった者を対象とすること,および特別研究員奨励費助成の終了後の追跡を行うことから,研究費の競合は起こらないことを申し添える)
令和3年度は,以下2点について実施した。(1) 質問紙本調査 (3回目; 特別研究員奨励費助成から換算して5回目) を郵送にて実施し,68家庭からの回答を得,データクリーニングを終了した。(2) 成果を国際誌に3本,国内誌に3本発表し,国内誌1本の投稿を行なった。
これまでの成果により,主に,以下4点について明らかにすることができた。(1) 一定の信頼性および妥当性を有する,親・友人からの感情の社会化尺度の作成を行なった。(2) 怒り表出の方略の区別,対象の区別は,年齢および性別によって異なることが見出された。(3) 青年期を通じて,肯定的再評価 (感情の認知的制御) の使用が増加すること,肯定的再評価の使用は,親・友人との認知的制御に関する話し合いと正の関連を持つことが明らかとなった。(4) 査読中の研究であるが,児童期後期から青年期後期における感情の肯定的再評価の発達軌跡が得られた。また親・友人との感情の認知的制御についての話し合いが,肯定的再評価へ影響することが見出された。
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