研究課題/領域番号 |
19K03283
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
鈴木 菜実子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (70614501)
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研究期間 (年度) |
2019-03-01 – 2023-03-31
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キーワード | 精神分析 / 短期療法 / 不安障害 / パニック症/パニック障害 / 効果研究 |
研究実績の概要 |
パニック焦点型力動的心理療法に関する予備的研究を行い、この治療についての研究面接の実施とそのデータの分析を中心として行っている。昨年度までに、新たに、2例の研究面接を実施し、さらに2名の研究参加協力者を得ていた。2名の新たな対象者に対してのパニック焦点型力動的心理療法の実施とこのデータの分析を実施することを当初は計画していた。 しかし、当該年度は、研究面接を推進し、またこのデータ分析を進める予定であったが、新型コロナウィルス感染症の流行によって、研究面接自体の実施が非常に困難な状況となってしまった。1例については、研究面接の途中で、緊急事態宣言の発出となり、実施機関自体が閉鎖となってしまい、面接の中断を余儀なくされた。そのため、これまでのデータ分析を中心に研究を進めた。今年度も同様に、現時点では新型コロナウィルス感染症の流行は収まっておらず、研究期間内に、安全な形で心理療法を実施すること、また実施可能な機関を設定することの困難が予想される。また、新型コロナウィルス感染症の流行以前と大きく状況が変化してしまったこともあり、この前後のデータを同様に比較することの科学的な問題も生じる可能性がある。 そのため、現時点では、新しいケースをさらに実施することよりも、内容の分析について注力する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
引き続き、パニック障害に対する焦点型力動的心理療法を実施しているが、研究実施が新型コロナウィルス感染症の蔓延のために中断となり、またその影響もあって、1例はドロップアウトしてしまっている。もう1例については現在までウェイティングリストに記入し、実施を見合わせている状態である。 実際の研究面接自体は、進めることが困難であったが、その間に、これまでの研究面接に関する録音データの文字起こし、データの分析を中心に実施している。文字起こしについては、24回のセッションを実施した2例と、中断例1例の文字起こしと、データ分析を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症の流行下での、さらなる研究面接の実施は困難であると推測でき、この状況は今年度中も続く可能性がある。そのため、研究データの分析を中心として研究を実施すること、パニック焦点型の治療を実施している諸外国の研究者との交流や、ディスカッションについてもオンラインの形式を導入することを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症流行下にて、研究参加が中断され、予定していたよりも実施する面接の回数が減少したため。
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