少子高齢化の現代社会においては、不妊症の対応は極めて重要である。不妊症の原因は男性・女性ともにあり、不妊治療は経済的・心理的負担が大きい。本研究は、不妊治療の経験者や不妊カウンセラーへの質問紙調査及び面接調査を行い、不妊カウンセリングに求められていることを明らかにすることができた。「自分の子供が欲しいのか」「子育てをしたいのか」という葛藤が最終局面では起こってくる。後者の場合は早い段階での特別養子縁組の障害をしておくことが重要であることが示唆された。また、精神疾患になる人が2割程度いるために、産婦人科だけではなく精神科との連携も患者をサポートするうえでは大変重要であることが明らかになった。
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