研究課題/領域番号 |
19K03287
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松下 智子 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (40618071)
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研究分担者 |
安野 広三 九州大学, 大学病院, 助教 (30747994)
福盛 英明 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (40304844)
高柳 茂美 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 講師 (80216796)
山本 紀子 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (80726729)
面高 有作 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 助教 (80749474)
小田 真二 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 講師 (60618073)
梶谷 康介 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (10597272)
舩津 文香 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 講師 (80778928)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 大学生 / eラーニング / 健康教育 |
研究実績の概要 |
本研究は,大学生が主体的に学べるICTを活用した心と体の健康教育を確立すべく,学生が求めるeラーニングコンテンツの充実や,コンテンツの配信の工夫,授業やワークショップとの連動などを行い,健康教育の在り方を検討,評価することを目的としている.2020年度は,新たに作成したコンテンツをもとに,コンテンツ配信の工夫や授業やワークショップとの連動を行うことを目指した. 2020年度は新型コロナウイルス感染拡大下となり,当初の予定をやや変更する形で研究を進めていった.まず,コロナ禍でのストレス対処の記事を急遽準備し,学生に役立つ情報を作成することを心掛けた.筆者の所属する学内相談機関の非常勤カウンセラーの助力も得て,「在宅でのオンとオフ」,「在宅での生活リズムの整え方」,「コロナ禍での心の健康」,「COVID-19による自粛からの回復」の記事を作成した.また,筆者の所属先のTwitterと連動して,それらの記事やこれまで作成してきたeラーニングコンテンツを紹介するなどの配信の工夫を行った.大学が全面オンライン授業になった際には,本研究の分担研究者が携わっている,全学部の1年生必修授業である健康・スポーツの授業にて,本プログラムをオンライン授業で活用してもらった. また,臨床心理学を専攻する大学院生2名を学生アルバイトとして雇用し,学生目線での技術面での改善や,新たなコンテンツの作成に携わってもらった.具体的には,「自分も相手も大切にする自己表現」と「SNSとうまくつきあうために」の動画コンテンツを完成させ,オンライン授業に関連して,「オンライン授業による肩こり」と「オンライン授業による目の疲れ」の記事も完成させた.同時に,それらを英語と中国語で準備し,一部はすでに公開している.中国語翻訳にあたっては,留学生の大学院生をアルバイトとして雇用した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた10の新たなコンテンツのうち,新型コロナ感染拡大下でのストレス状況に合わせて内容を変更し,6つのコンテンツがほぼ出来上がったことに加え,コロナ禍での心や体の健康およびストレス対処に関する記事を6つ作成した.それらをTwitterと連動して広報を行うなどの配信の工夫は行うこともできた. 授業と連携については,新型コロナウイルス感染拡大下でのオンライン授業において,これまで以上に本プログラムを広く活用することができた.なお,2020年度は大学院生のアルバイトを雇用して,学生目線での改善を行うことができ,スマートフォンでも見えやすくなり,学生の関心に沿ったコンテンツを作成することができた. また,本研究では,学生生活セルフチェックの結果に応じて,お勧めの動画を出せるような工夫を行うことを計画していたが,この点については,実現に時間がかかることが予想されたため,お勧め動画を提示するYes-Noのフローチャート式のものを代用することとした.フローチャートの素案は完成し,現在テクニカルスタッフが技術的な作業を行っている最中にある.ホームページを見たときの学生の興味や関心に応じて,セルフチェックに誘導したり,コロナ禍でのストレス対処の記事を紹介したり,おすすめ動画を紹介したりできるような工夫を構想中である.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,まだ完成できていないコンテンツである,「時間管理の基礎~課題の両立」,「将来に向けて」,「やる気を出す工夫」といった自己開発的な内容を3つ,「ダイエット・バランスのよい食事」,「ストレス解消としての運動」といった予防医学的な内容を2つ,計5つのコンテンツを完成させることを目指す.その際,大学院生の雇用を再度行い,コンテンツ作成の補助や英語と中国語への翻訳作業を依頼する. また,学生が知りたい情報に応じて,お勧めの動画や記事などに導いていくような配信の工夫を完成させていく予定である.なお,これまでは動画のナレーションを日本語だけで作成していたが,英語や中国語のナレーションも追加する作業を行っている.これは留学生のためだけでなく,日本人学生の語学の勉強を兼ねるものにできればという考えによる.セルフケアについて学びながら語学の勉強もできる方が,大学生にとってはメリットを感じられるかもしれない.そういった些細なことも含めて,大学生が見てみようと思えるような内容にするために必要な工夫について検討していく予定である. 最終的には,本eラーニングプログラム全体が,大学生が主体的に学べる内容になっているかどうかについて調査・検証を行う予定にしている.その際,オンライン授業と連動して,本プログラムを活用することの可能性について検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大下という非常事態になり,予定していた計画を一部変更することになったため.
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