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2020 年度 実施状況報告書

小中学校における保護要因に着目したメンタルヘルス・プログラムの長期的効果

研究課題

研究課題/領域番号 19K03288
研究機関宮崎大学

研究代表者

高橋 高人  宮崎大学, 教育学部, 准教授 (10550808)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード認知行動的介入 / School-based / レジリエンス / 抑うつ
研究実績の概要

本研究は,小中学校における子どものメンタルヘルスの問題を予防することを目的とした介入の効果研究である。とくにメンタルヘルスの問題における保護要因は“子どもが困難に直面したとしても心身の健康を保つための要因”である。学校におけるメンタルヘルス研究の“予防効果”は,治療的効果にとどまらず,“子どもが保護要因を習得・向上し,心身の健康を保つ術を身につけること”を目標としている。そこで本研究は,症状(抑うつ)の治療的効果に加えて,保護要因(レジリエンス,セルフエフィカシー)の習得・向上を目的とした介入効果の検証を行い,その効果を測定する。
A県内の県立B中学校に通う1年生,全6回のプログラムに参加した計80名(男子 38名,女子 42名)であり,統制群はA県C中学校1年生80名(男子 38名,女子 42名)で構成した。授業を活用して,認知行動的な介入技法からなるプログラムを実施した。
介入群における,介入の前後で抑うつ得点(DSRS-C)の変化を検討するためにLinear Mixed Modelによる解析を行った。その結果,介入前に比べ介入後の得点減少が有意傾向であった。統制群における,2回の測定でDSRS-C得点に有意な変化はみられなかった。また,介入群における介入前後のDSRS-Cのカットオフスコアを超える生徒の人数が有意に変化していた(p<.05)。介入群と統制群における,セルフエフィカシー得点の変化を検討したところ,で安心感,チャレンジ精神,セルフエフィカシー総得点の3つの得点すべてで介入前に比べ,介入後の得点が有意に増加していた。また,統制群における,2回の測定でセルフエフィカシー得点に有意な変化はみられなかった。介入群において,介入の前後でレジリエンスの楽観性の得点の増加が有意であった。来年度も引き続き,小中学生を含めた介入データを収集し,介入の有効性を検証する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調に進行している。一部の学校で新型コロナウィルス対策により介入授業が中止されたが,計画に大きな影響はない。しかしながら,当初計画したよりも対象者数が少ないため,研究期間の最終年度はより多くの対象者を確保することを目標として,関係機関との連携を行なっている。

今後の研究の推進方策

最終年度にあたるR3年度も継続して当初に計画通り,小学生を対象とした介入研究を進めていく。目標としていた対象者数を確保し,十分な知見を蓄積し公表できると考えている。
また,本研究の目的の1つである長期的な介入効果について,令和2年度に実施した介入のフォローアップ測定を行うことで検証する予定である。そのためにも,学校との調整を行なっている。そして,介入の効果検証を本研究の終了期間である令和3年度まで継続して実施する予定である。これらの方策により,当初計画した研究を順調に進めていくことができると考えている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症の影響ですべての学会等の行事がオンラインとなったため,旅費に使用額がゼロであったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] A cultural adaptation of cognitive behavior therapy for Asian preschool children: Long-term effects of a preventive intervention through for behavioral inhibition2020

    • 著者名/発表者名
      Takahito Takahashi, Shin-ichi Ishikawa
    • 学会等名
      54th Annual Convention Association for Behavioral and Cognitive Therapies
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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