研究課題/領域番号 |
19K03290
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研究機関 | 長崎県立大学 |
研究代表者 |
松本 優花里 (橋本優花里) 長崎県立大学, 地域創造学部, 教授 (70346469)
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研究分担者 |
徐 丙鉄 近畿大学, 工学部, 教授 (30196993)
野寺 綾 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (50709748)
日下部 典子 福山大学, 人間文化学部, 教授 (60461290)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 認知リハビリテーション / オーセンティック |
研究実績の概要 |
本研究では、当事者の視点や立場を踏まえた有意味なリハビリテーション(以下、リハ)の展開を重視し、その実現に向けた取り組みを行っている。これまでの一連の研究では、初めに課題の洗い出しとして、共同研究者と共同研究者の一人である徐教授の研究室メンバー、そして研究協力者である現場の心理師等による月例ミーティングを行い、その議論の中で当該年度に対応するべき内容を決定するという手続きを取っている。 2019年度は、心理師が所属する病院でのリハスタッフのリハスケジュール管理の煩雑さと、高齢者や社会復帰が困難である患者のリハへの動機づけの低下が中心的問題として取り挙げられた。そして、1)高次脳機能障害者のリハへの動機づけを高めるためのリハ予定管理アプリの開発、2)現場のリハスタッフのリハ予約作業効率化を目指したデジタルリハ管理表の開発を目指した。 1)リハ予定管理アプリ 紙媒体によるリハの予定管理をデジタル化し、自身の端末でいつでも確認ができるアプリの開発を目指した。患者のリハへの動機づけを高めるため、また、リハの予定を自ら管理する行動を定着させるため、リハ回数を見える化するだけでなく、リハの実施総数とアプリへのログインに応じてアプリ上のアニメーションが変化するというゲーミフィケーションの要素を取り入れた。さらに、メモ機能やTo Doリストなどの機能を付加したほか、高次脳機能障害に配慮し「見やすさ」「操作しやすさ」への工夫を行った。 2)リハ予約管理表 各種療法によるリハ予約をより効率化するために、予約台帳をデジタル化する試みを行った。その際、患者の個人情報保護の観点から、インターネット上での保存を避け、病院内である事からWiFiでの接続も行わないという制約の下、JavaScriptを主体とし、ローカルストレージのIndexed Databaseを使用したシステムの開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究には、①当事者にとって有意味で、楽しく、継続可能な課題を開発する、②当事者の認知をとらえ、環境との相互作用を含めた支援の枠組みを提供するという2つの研究の柱がある。2019年度は、これらのうち、ゲーミフィケーションの要素を取り入れながら①についての研究を進めた。その結果、実装可能なレベルの2つの成果物を作り上げることができたことから、おおむね順調であると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究には、①当事者にとって有意味で、楽しく、継続可能な課題を開発する、②当事者の認知をとらえ、環境との相互作用を含めた支援の枠組みを提供するという2つの研究の柱がある。2019年度は、①の研究については進めることができたが、②については文献収集とその概念の整理とどまっており、具体的な提案はできていない。2020年度は、②の研究を中心に進めていく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に広島での対面ミーティングを開催する予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から取りやめたため。
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